「カクテルは聞いてる 6」
A:男性
B:女性
B:今年は梅雨が長いなぁ…しっとり降る時は、まだいいけど…雷雨がなぁ…難しい話がこう、毎日続くとさすがに…うーん…
A:こんばんはー…ってどうしたの?難しい顔して
B:あっ、「A」さん!?いらっしゃっいませ
A:あぁ良いから、良いから…それで…何かあったの?
B:うーん…まぁ梅雨ですし、仕方ないんですけど…ちょっと疲れちゃって(笑
A:それは、仕事?それとも趣味?
B:どっちでしょうね?(笑
A:あんまり無理しないで下さいよ?
B:あっ…じゃあ、ちょっとなら無理させるんだー(笑
A:憩いの場所が、無くなると困りますからねっ(笑
B:仕方ない、頑張って切り盛りして行きますか!
A:お願いします!
B:さて、今日はどうします?
A:あれ?ターコイズブルーじゃないの?
B:うーん…飽きないですか?
A:美味しいよ?
B:それは嬉しいんですけど…たまには気分変えません?
A:うーん…じゃあ、何作って貰おうかな…
B:今の気分は?
A:なんだろうな…解放感?とか、まぁそんな感じです
B:なるほど…うーん…どうしよっかな…
A:なんか、凄い新鮮(笑
B:えっ?
A:「B」さんが珍しく困ってるから(笑
B:やっぱりちょっと疲れてるんですかね(笑
A:無理しなくて良いですよ、疲れてるなら尚更
B:ありがとうございます
A:やっぱり…何かあったんだね?
B:…はい
A:じゃあ、今の「B」さんの気持ちを、写したカクテル下さい
B:…良いんですか?
A:勿論、楽しみに待ってますよ
B:では…こちら「シャンディーガフ」です
A:えっ?これにも意味あるの!?
B:勿論、あまり良くありませんけど…
A:どういう意味?
B:「無駄な事」…です
A:何が…無駄なの?
B:なんでしょう…この…み…
A:(遮るように)「B」さん!?
B:…ごめんなさい
A:(ため息)…とりあえず、一緒に呑みません?
B:今日はそんな気分じゃ…
A:良いから、付き合ってよ
B:でも…
A:どうせなら1人より、2人で「無駄な事」しましょうよ
B:もう…仕方ないですね
A:良し!じゃあ今日は「シャンディーガフ」で乾杯しよう
B:何に乾杯するんです?
A:んー、なんだろう…珍しい「B」さんが見れた記念?(笑
B:もう…なんでも良いですよ!(笑
A:まぁまぁ、とにもかくにも、乾杯!
B:うわぁ…今の凄くおじさん臭いですよ?(笑
A:だっ…誰がおじさんだって!?
B:あら?違いましたっけ?
A:まだお兄さん気取ってるんですけど?
B:その言い方ならもう、認めてるじゃないですか(笑
A:やっと、少し明るくなってきたね(笑
B:カクテルのおかげで
A:そこは嘘でも「Aさんの」って言って欲しかったなー(笑
B:あっ、じゃあカクテルと、おじさんのおかげです(笑
A:また、おじさんって言った!?
B:空耳じゃないですか?
(小声で)優しいおじさん
A:まだお酒、回ってないハズなんだけどなー(笑
B:今日はいつもより、濃く作ってますから
A:えっ、そうなの?
B:冗談です(笑
沢山呑んで貰わないと、商売あがったりですから
A:さすがプロ、しっかりしてますね(笑
B:伊達に、このお店やってませんから(笑
A:そうですよ?ここが無くなると困る人も居るんですから
B:えっ…
A:どんなに無駄な事って思っても、それは他の誰かにとって、凄く大事な事だったりするんです
B:「A」さん…
A:だから、もっともっとここで、美味しくて楽しい時間、過ごさせて下さいね
B:はい!あっ、もうほとんど無いじゃないですか?ごめんなさい、次作りますね
A:えっ…まだ半分…
B:もう無くなります…よね?
A:そ…そうですね!次は何を?
B:それは…コレ「カシス・ソーダ」です
A:えっと?
B:なんだと思います?(笑
A:うわぁ…その言い方怖いなぁ(笑
B:安心して下さい「貴方は魅力的」ですから
A:えっ…それって…そういう事!?
B:どういう事ですか!(笑
A:いや、だってこんなの出されたら…もう僕、勘違いしますよ!?
B:勘違いってわかってるなら、良いんじゃないですか?
A:本当に!?
B:えぇ、私は「スクリュー・ドライバー」ですけどね?
A:ちょっと、それかなり気になりますよ!?
B:ちょっと「A」さんに「油断」してただけです(笑
A:なんだ…(小声で)せっかくチャンスかと思ったのに…
B:そんな、いじけないで下さいよ(笑
A:いじけてませんよー、拗ねてるだけですよー
B:うーん、困ったおじさんだなぁ(笑
A:あっ、また!?
B:さぁ?なんの事でしょう?
A:おじさんって言ったでしょ!?
B:それは、カクテルに聞いてくださーい♪
fin
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます