走らないメロス

どうも、皆さん元気でしたか?


もちろん私は元気でしたよ。


なにやら身近で物騒な事件も起きている様なので気が気ではない人もいるかも知れませんが、まあ


しばらくすれば収まるでしょう。


どんな大事にみえる事件でもね


その殆どが時間が元に戻してくれるもんです。


ま、お互いに気をつけるのは良いことですけどね。


あまりに疑心暗鬼になってもよくありません。


我々は警察じゃないんですからねぇ


まぁ、ここに集まったみなさんは気分を変えて明るくいきましょう。


ま、明るくっていっても犯罪心理学なんで


そこは限界がありますけどねぇ


あ、ここは笑う所ですよ(微笑)


えーと、何の話でしたっけ?


そうそうサイコパスの話をしてましたねぇ。


世の中には100人に一人の割合でそういう手合いがいるっていう話でしたね。


しかし、反社会性のないサイコパスは寧ろ優秀である場合が多いっていう話でした。


でも考えて下さい。


だとすると、ですよ。


我々の知っている過去の著名人のなかにも、もしかするといるのかもしれませんね。


どう思います?


例えば…




例えばそう…


太宰治とか?


そんな筈はないと思います?


確かに、人情の機微を理解しないといけない作家がサイコパスというのは考えにくいですね。


でも、サイコパスは人情の機微に疎いというわけではないんですよ。


例えばこういう例があります。


ある家庭に突然現れて一家全員を殺した犯人がその死体をリビングに集めてしばらくそのままにしたという事件がありましてね


その犯人がサイコパスなんですけどね


なんでそんな事をしたのかって理由、わかります?


やっぱりわかりませんか?


答えは一家団欒をさせたかったらしいんですよ。


え?そんな一家団欒はいらない?


まぁ、確かに無理がありますね、冗談です。


真面目な話、とある研究で人の目だけを見せて、その人が今どんな感情でいるのかを当てる実験をしたときに、サイコパスのほうがそれ以外のひとより正確に心情を読み取ったという結果もあります。


つまり、サイコパスは相手の心情に共感はしないものの察知はする能力があり、それを利用して人心操作をしているという説があります。


面白いでしょ?


そうだ、人心操作といえば興味深い話があります。


走れメロスって知ってるでしょ?


そう、身代わりになった親友の為に誘惑に打ち勝って戻ってくる青年の話。


あれの元になった逸話があるんですけどね。


知ってます?


熱海事件。


熱海で宿代の払えなくなった太宰治の身代わりに親友の檀一雄を置いていったんだけど、一向に帰って来ず。


痺れを切らして様子を見に行くと師匠の井伏鱒二とのんきに将棋をさしているのを見咎められて詰め寄られ普通なら平謝りする所。


太宰治は咄嗟に


「待つ身が辛いかね?待たせる身が辛いかね?」


と、涙ながらに訴えた事で、檀一雄は二の句が継げなくなる、という話。




これ、確かに本心だから咄嗟に出たという人もいるでしょうけどね。


もしも、本心でなかったとしたらどうですか?


でますかね?


咄嗟に心にもない言葉を並べ立てて難を逃れたのだとしたら…



サイコパスの特徴でもある平気で嘘をつけるという特質


人を惹きつけて魅了してしまうという特質


異常なまでの頭の回転の速さという特質


などに当てはまってしまうように思えるんですよね。


更に芥川賞に対する異常な執着心やそれを阻止したであろう選考委員に対して敵意を隠さない所。


まあ、刺すとまで言ってますから現代なら何らかの罪に問われちゃいますねぇ


ま、真実はどうなのかわかりませんけどね。


え?彼は自殺してるからサイコパスではありえない?


いえいえ、そういう事ではないんですよ。


サイコパスにも十人十色で何がその人の欲求かは個人差があるんです。


え?欲求なら普通の人にもあるって?


確かにそうですね。


では重要な違いは何かと言うとですね


サイコパスは自身の欲求の為なら他の人がどうなっても良いと思ってしまうんですよね。


あるいは他の人だけじゃない。


自分自身ですらね.......。


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