異世界日本紀(仮)

駐車場の野良猫

第0話 プロローグ

「なあ翔太!あの格ゲーやろうぜ!」

「ああ。面白いらしいしやってみっか!まあ、勝つけどな。」

「そんな余裕を持てるのも今のうちだからな!」

「はいはい。」




「あー。夢か…」

「どうしたのよ。いきなり。」

「いや。なんでもない。」

「はぁ。どーせ明との夢でしょ。」

「分かってんなら聞くなよ。」


俺は起き上がる。するとパーティーメンバーが心配そうな顔をしてこっちを見ていた。


「な、なんだよ。」

「みんな心配してたのよ。いつまでたっても起きないし。」

「悪い。」

「気にすんなって。」


俺達はとある街の宿屋にいて、小さなパーティーを組んでいる。今、メンバーは5人。そのうち1人はジャンケンで負けて買い出しに行っているらしい。


「ねえねえ。2人って幼馴染なんでしょ?」

「そうだな。」

「ふん。ただの腐れ縁よ。」

「明って人も幼馴染?」

「そう。」


俺と明と茜は幼馴染でよく一緒にゲームしたりしていた。


「いい加減話したら?」

「そう…だな。」


パーティーメンバーには話してもいいだろう。あいつらも過去の話をしてくれたりするんだ。俺だけ話さないわけにもいかない。


「うーん。でもなあ…」

「ほら!いつまでもクヨクヨしない!」

「あー。わかった。どこから話せばいいか分かんないけどあの事件が起きた日からでいいか。」


俺は意を決して話し始めた。ただただ苦いだけの過去の話を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る