創作秘話『「ぐちゃぐちゃ」と「ごちゃごちゃ」の違いについて考えてみた』

『「ぐちゃぐちゃ」と「ごちゃごちゃ」の違いについて考えてみた』https://kakuyomu.jp/works/16817330654146474316


【カクヨム誕生祭2023】の企画【KAC】への参加作品。

【KAC20233】のお題は「ぐちゃぐちゃ」。


まず、自分でネタ出しをしてみました。


●「ぐちゃぐちゃ」⇒何がぐちゃぐちゃになっている?

 ・頭の中

 ・部屋(汚部屋、まるで台風が通り過ぎたみたい)

 ・街

 ・ぬかるみ

 ・靴

 ・事故で車がぐちゃぐちゃ

 ・文句をぐちゃぐちゃ言う?(ごちゃごちゃ?)

 ・届いた荷物の中身

 ・妖怪ぐちゃぐちゃ⇒どんな妖怪?


ここまで書いて、「ぐちゃぐちゃという言葉はネガティブなイメージがある。ポジティブな言葉で何か書けないか?」と思い始めました。


そこで思いついたのが「芸術家を目指す若い男女の話。年上の女性がキャンパスに絵具をぐちゃぐちゃに塗りつける。すると立派な作品が出来上がる。好きなように描けばいいのよ、と彼女は言う」という話でした。

ありがちだし、あまり書きたいと感じなかったので没になりました。


そこで、他の方がどのような作品を書かれているのか覗いてみました。

特に気になったのが下記の2作品でした。


――――――――

『スコーンを焼く【KAC2023】』

作者:近藤銀竹 さん

https://kakuyomu.jp/works/16817330654092521709


こちらの作品は「ぐちゃぐちゃ」をポジティブな言葉として扱っていて、まさに「当たり」に出会ったような気持ちで拝読しました。近藤銀竹さんの個性を感じる楽し気な作品でした。

――――――――


――――――――

『ぐちゃぐちゃのごほうび【KAC⑤ 3】』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654096054100

作者:関川 二尋 さん


こちらの作品は「ぐちゃぐちゃ」というネガティブなイメージを、ポジティブなイメージにひっくり返しているところが見事でした。

関川さんの作品に登場する人たちの「強さ」を感じることのできる作品でした。

――――――――


ここまで読んで、他の方がポジティブなイメージで書いてくれているし、じゃあ私はエッセイを書きたいなあと思い始めました。ここでのプランはふたつ。


・「小説で読者の感情をぐちゃぐちゃにする方法」

・「ぐちゃぐちゃとごちゃごちゃの違いについて」


どちらも同じくらい書きたかったので、最初は前者について書き出してみました。


「最近の読者はストレス展開を避けると忌避するというが、個人的には『感情がぐちゃぐちゃにされる作品』は好物だ。

主人公が絶望に打ちひしがれ、そこから這い上がる姿が見たい。

そのためにはまず、主人公の希望を打ち砕く必要がある。いきなり大きな不幸が訪れてもいいし、小さな希望が摘まれるのもいい(ただしやりすぎるとしんどいが)虚無になるほどの絶望。心が痛むが創作のため仕方ない。心を鬼にする。

「絶望」と仲良しグループに「無力感」がある。

身近で起こる悪い出来事に対し、自分は何もできない。到底太刀打ちできない、ある日ぽっきり心が折れる。そういう瞬間がリアルに描かれているとなお良い。

ここからのカタルシスが見たい」


ただの性癖ぶちまけ大会ですね。

これを777字も書くのはどうかなあと思ったりもしました。


そこで「ぐちゃぐちゃ」と「ごちゃごちゃ」の違いをエッセイにしたいなあと思い始めました。これなら例文も入れれば確実に777字はいくでしょう。


そこから調べものをして、まとめて。

手間と時間がかかったため、ど深夜の投稿になってしまいましたが、なんとか無事に書き上がりました。


ありがたいことに、このエッセイにもレビューをいただきました。

「めちゃくちゃわかりやすい!」(新吉さんのレビュー)

https://kakuyomu.jp/works/16817330654146474316/reviews/16817330654155653699

わかりやすいとのお言葉、何よりも嬉しかったです。


読んでくださった皆様、ありがとうございました。

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