第6話 冒険者ギルド
僕はかなり歩かされたけど、無事にギルドの建物の前にまで辿り着いた。
この冒険者ギルドは取り分けギルドの中では親切なところらしい。冒険者として登録する際にも、あれこれうるさいことは訊かれないって言うし。
それなら、実績どころか、ろくに冒険をしたことすらない僕でも冒険者として登録させてもらえるかもしれない。
ま、こういうのは当たって砕けろ、だ。
そう考えた僕は三階建ての宿舎のような建物の中に入る。
中は思ったよりも広々としていて、ソファーが幾つもあったり、床には綺麗なカーペットが敷かれたりしていた。
そして、そこには剣や槍、斧などを目に見える形で持った男性たちがいた。
きっと彼らが冒険者なのだろう。見るからに強そうだし。
中には男性だけでなく、ローブを羽織り、杖を手にしている魔法使いのような恰好をした女性もいた。
この国は魔法の国と言われているのだ。当然のことながら魔法を使える人たちもたくさんいるに違いない。
やっぱり、この目で魔法の力は見ておかないとな。
僕も何とかすれば魔法を使えるようになるだろうか。
そんなことを考えながら、僕はギルドのカウンターの方に歩み寄った。
カウンターには受付の女性がいて、僕を見ると日本語ではない言葉で「要件は何でしょうか?」と尋ねて来た。
なので、僕はこれまた意識せずにこの世界の言葉と思われる言葉を口にして冒険者になるにはどうしたら良いか訊いた。
すると、受付の女性は僕に紙とペンを渡してきて、この紙に書かれている必要事項を全て記入すれば、当ギルドの冒険者として登録されますと言った。
それを聞いた僕は齧り付くように渡された紙を見て、自分でも信じられないくらいスラスラとこの世界の文字で必要事項の記入をしたのだった。
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