第2話 王都アルサス
僕はとりあえず面白そうな場所に行くことにした。なので、歓楽街を目指してひたすら歩を進める。
みんなファンタジーの世界の服を着ているけど、僕だけが普通の日本の現代の服を着ていると言うのはちょっと恥ずかしいな。
でも、僕の横を通り過ぎていく通行人たちは僕のことをじろじろ見たりはしなかった。
全く興味がないと言う感じだ。
僕は変に怖がらずに堂々と歩くことにする。そして、アルサスの中心にある広場までやって来た。
広場には神官のような服を着た少女と禍々しいドラゴンが戦っているところを再現してある銅像が立っていた。
マギアスの書が確かなら少女は聖剣ファルフリンガーを手にした聖女ファムメリアでドラゴンの方は邪竜アルゲイナスだな。
アルセバイン王朝というものが存在した時代には、人とドラゴンが戦うような事もあったらしい。
今では、そんなことは皆無に等しいらしいけど。
僕はアルサスの平和ぶりを微笑ましく思いながら歓楽街までやって来た。歓楽街の通りには料理屋や酒場がたくさんあって遊技場や賭博場などもあった。
通りを歩く人の数もさっきより多く、とても賑やかだった。もし、お金があったらフラリとどこかの店に入ってしまったかもしれない。
僕は活気のある歓楽街の様子を見て回ると、そろそろ自分の世界に帰りたいなと思った。
マギアスの書には元の世界に戻る呪文も書かいてあった。多分のその呪文を唱えれば戻れるに違いない。
僕はマギアスの書を開くと、帰還の呪文を唱えた。
すると、僕の体を眩い発光が包み込み、ハッと目を開けるとそこは元いた図書館だった。
反射的に手首の腕時計も見たけど、時間は全く進んでいなかった。
どうやら、異世界に行っていた時間はなかったことになっているらしい。
僕はマギアスの書を大事に脇に抱えると、図書館の貸し出しカウンターの方に向かって歩いて行った。
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