第27話

「ほう。私は双龍刀の専門ではないのですが、現時点でかなり使えているのはわかります。たいしたものだ」


「私も専門ではないが、あなたと同じくかなり使えているのはわかります」


「でも、双龍刀の師匠は呼び寄せましょう」


「それがいいですね」


紫苑は双龍刀を持ったまま私のところに来て言った。


「修行なんてさっさと終わらせて、そんでこいつで化け物をずたずたにしてやるわ」


「そりゃ頼もしいことで」


「あの、ちょっと」


神主が呼んだので私が行くと、神主が小声で言った。


「あの女の子、大丈夫ですか?」


「大丈夫と言う意味がよくわかりませんが、あやかし斬りに必要な闘争心なら充分すぎるほどにありますね」


「……そうですか」


「そこでなにこそこそ話してんのよ。さっさと修行始めるわよ」


「双龍刀の師匠が来てからなので、修行は明日からになります」


「ふーん。それじゃあたい一人でやるわ」


紫苑は道場狭しと動きまわり、双龍刀を振り回した。

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