第25話

頭を上げた紫苑に言った。


「それじゃあ行くぞ」


「元気でな」


「師匠もお元気で」


二人で車に乗り込み、長い時間をかけて目的の神社に向かった。



神社に着くと、すぐに神主が出迎えた。


「また新しい人が来ましたか。こう立て続けなのは珍しいですね。しかもこんなに可愛らしいお嬢さんだとは」


可愛らしいと言われた紫苑はわかりやすくむくれていたが、私はそれは無視した。


「では早速道場に」


しばらく歩くと道場に着いた。


魁斗がいるかと思ったが、そこには誰もいなかった。


「魁斗はどこにいるんですか?」


「武術の修行は師匠と二人きりでやります。この神社には道場が二つありますので、あの人は今日からもう一つの道場で修業することになりました」


「そうですか」


「あたいの他に、あたいみたいなやつがいるのか?」


「そう、若い新人が修行しているよ」

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