村人と化したハンター
いや、なんでこんな訳のわからない駄文を読みに来る方がいるのだ……(困惑)。前回の更新から10か月近く音沙汰がないのに、稀に読んでいく方が現れる。なんだかすごく申し訳ないことをしている気がする。
暇つぶしがてらに読み飛ばす分には、ちょうどよかったりするのだろうか? とりあえずだ、なんとなく続きを思い出しながら書いていこうではないか。
――――そう、あれは私が新米ハンターの頃だった。
悪名高き初心狩りの名を欲しいままにしていたヤオザミに大敗を喫した私は、そもそも武器の選択が間違っていることに気付いた。付属の説明書にある武器紹介の一覧を一見し、ひとつ、心を惹かれる武器があった。そう、片手剣だ。初心者にオススメ! 的な紹介文が書かれていたというのが、選んだ安直な理由である。
ハンターナイフを腰に携え、シャツとパンツ一丁で密林へ出撃するハンター。30秒にも及ぶ激闘の末、私はついに仇敵ヤオザミを打ち倒した。小さくも偉大なる一歩であり、その栄光はいずれ
いける、いけるぞ。
雑魚一匹を倒した私はイキりだした。そのまま無垢なハンターの背後を跳ね飛ばすことに快感を得ているだろう、牙という名の弾頭に人々の悪意を詰め込んだ自立型ホーミング式イノシシ、ブルファンゴさえも、半殺しにあったとはいえ倒すことができた。
もはや密林には敵はいなかった。
だがそんななけなしのプライドも、凶悪な緋色の鉤爪の前に成す術もなく斬り裂かれた。
密林にはさらなる強者が潜んでいた。特産キノコ採集で有頂天になっていた私をあざ笑うかのように、奴は私の前に姿を現したのだ。
――――そう、ドスランポスだ。
それはいつものように、キノコだの何の役に立つか分からない草をがむしゃらに採集していたときのことだ。
身の毛もよだつ耳をつんざく咆哮が、画面外……ハンターの背中より突如として聞こえてきた。例えるならば、殺し屋がいつの間にか背後に立っていた時のような、そんな肝の冷える恐ろしい体験だった。
ふと、疑問にあったことはないだろうか? なぜモンハンの世界の人々は、たかだかドスランポスなどドスジャギィだのを討伐する依頼を、ギルドに依頼してくるのかと。そんなもの村の男が数人いれば余裕で解決できるのではないかと。
違う。違うのだ。あのときの私は、紛れもなく無力な村人の気持ちを味わっていただろう。挨拶がわりの咆哮を終え、ハンター一直線にデカいランポスが突撃してくるのだ。例えよう、君が不意に熊と遭遇したらどうする?
逃げるに決まっているだろう。自分が何人いてもアレには勝てる気がしない。私は無我夢中で隣のエリアへと走り去った。
人には身の丈にあった仕事がある。奴との
――――だがこのときの私は知る由もなかった。ドスランポスはボスの中では最弱で、避けられぬ倒すべき壁であるということを。
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