第10話
雲
漏れ出した上から
こぼれ落ちた真ん中の
拾い上げる下から
一枚じゃ足りないよなって
またもう一枚もう一枚って
足りやしない箱を開ける
誰もいない空の中で
隠れて鍵を閉める
声も出さずに行ってしまうの
いつからだっけ
何回目だっけ
もうしないって
決めたばっかだって
登り詰めた感情たちが
溢れ出して下へ落ちる
急いでいる
びしょ濡れの山には
綺麗な白く輝く小川が
ゆっくりと流れて運んで行く
誰もいない雲の中で
しゃがみ込んで縮こまる
待ちもしないで行ってしまうの
いつからだっけ
何回目だっけ
間違わないって
思ってたって
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