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[こいつらは信用出来るんだよな?]

佐々木達をチラリと見て山ちゃんは松浦に言った。

[一年は一緒に居る]

[怪我人は何人だ?]

[一人だ。怪我じゃなく病気だ。佐々木の嫁だ]

松浦は嘘をついた。山ちゃんはバカだが油断がならない。きっと女を抱かせろ。といってくるに違いない。

[へー。じゃこの小僧は子供か。よく一緒に居られるな]

山ちゃんの言いたい事は分かってる。松浦は家族が苦手だった。嫉妬と羨望の対象だった。だから山ちゃんのような独り者。世間から目を伏せられるような人ばかりとツルんでいた。佐々木達のような人とツルんでいたかった。


[とにかく飯を]

[ちょうど肉を溶かしてたとこだ。病人の所に持ってくかい?]

[居場所はバラしたくない]

[えっへっへ。違いねぇ]

山ちゃんは下卑た声で笑った。

変な事を考えられると困るから。と山ちゃんは松浦だけを連れて行く。


[どうよ?あいつらよりも俺と組もうぜ]

松浦と二人きりになると山ちゃんは遠慮なく話を持ちかけた。松浦は断る。

[死にかけの俺を助けてくれたんだ。無理だ]

[相変わらず嘘が下手だな]

山ちゃんが松浦の言葉に被さるように言う。

[とにかくそう言う事だ]

[へいへいへい。とにかく持ってけ。あまり時間かかるとアイツら心配するからな]

ビニールに肉を入れて松浦に渡す。

[何の肉だ?]

[シカだよ。ウソじゃねえって]

松浦はジッと山ちゃんを見る。

[ならコッチ持ってくか?食いかけだがよ]

山ちゃんが指指した鍋の中には茹でてある肉。かじった跡がある。

[早く行こうぜ]

松浦は袋を取り山ちゃんに従う。


[とりあえず。子供に持って行かせ。どれくらいかかる?]

[二十分だ]

[なら焚き火しとこうぜ。寒いのはかなわん]

山ちゃんは佐々木達の所に戻ると焚き火の用意をし始めた。

ユウキが一人で肉を持って帰る。

[早くしろよなー。待ってるからよぅ]

山ちゃんは慣れなれしい口調で、走ってくユウキに声をかけた。

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