二人のデートは刺激的
「お兄さんとデート~」
本日は学校が休みで、良平と桃花は駅前にあるカラオケまで来ていた。
基本的には桃花にずっと噛みついていたいと思っている良平だが、たまにはどこかに連れて行ってあげないといけない。
こんなに喜んでいるのだから、カラオケに来て正解だっただろう。
「俺はアニソンしか歌わないぞ」
「そうでしょうね。でも、私はお兄さんとカラオケデート出来るのが大切なので」
良平にベタ惚れの桃花にとって、隣に彼氏がいるというのが重要ってことだ。
ならお金のかからない家にいればいいのだが、カラオケなら歌うことが出来るし個室でイチャイチャも可能。
「じゃあ、歌うか」
「はい」
二人はカラオケで歌うのだった。
☆ ☆ ☆
「疲れた」
「そうですね」
しばらく歌いまくっていたために、二人はマイクを机に置いた。
一応、フリータイムで入ったのでまだ時間はあるが、これ以上歌うのはしんどそうだ。
「歌い疲れたのだから、次はイチャつきだね」
「はい」
桃花は良平の膝の上にまたがるように座り、そのままキスをした。
部屋に監視カメラがついていないカラオケ店ではあるが、ドアの一部がガラスになっているので外からは見えてしまう。
キスくらいなら誰も言ってこないだろうが、この二人がキス程度で終わるわけがない。
濃厚で貪るようなキスをした後は、良平が桃花の首に噛みつく。
「んん……はぁん……もっと強く……」
すぐに甘い声を出す桃花。
噛みつきに慣れてきてしまったのだろう、桃花は少し物足りなくなってきている様子。
もっといっぱい力強く噛んでほしそうに、桃花は良平の頭を手で抑える。
それに応えるように強く噛みつき、良平はもっととっと桃花を感じさせる。
強く噛みつかれたことにより、すぐに桃花は身体を大きく震えさせ、うっとりとした表情になった。
「……ん?」
噛みついていたが、良平は口に違和感を感じてしまう。
「血が出てる……」
鉄臭い味……強く噛みすぎたことにより、桃花の首から少しの血が出たようだ。
皮膚近くの血管が切れただけだから少量だが、良平は思わず首から口を離してしまう。
「血が出ても大丈夫です。それどころか私の血を飲んでお兄さんの栄養になると考えただけでヤバいです」
「ヤンデレ思考……」
それで幸福感を味わうのだから、桃花はヤンデレと言っていいだろう。
「血を飲むとか吸血鬼だよ」
「いいじゃないですか。お兄さんになら私の血を飲んでほしいです」
どうしよう? と思いつつも、噛みつきたい欲求に勝てず、良平は再び桃花の首に噛みつく。
それにより口に広がる鉄の香り……決して美味しいわけじゃないが、桃花のだと悪くないと思った良平だった。
「はあぁぁ……もっと飲んでください」
良平に血を飲まれるというのが快感になってしまったようで、桃花はもっと飲まそうとしてくる。
これから毎日こうなることが予想でき、しばらく桃花の血を良平は口にすることになるだろう。
噛みつき欲求が強すぎる良平にとっても嫌ではないようで、このまま桃花の首に噛みつきながら血を飲むのだった。
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