第一回厨二病小説大賞参加作 琥珀の花と緋色の眼

新潮社 小説家になって億を稼ごう 著/松岡圭祐( https://www.shinchosha.co.jp/book/610899/ ) に書いてあった手法の一部を参考にしてみました。詳しくはこちらを読んでみてください。



琥珀の花と緋色の眼

 →https://kakuyomu.jp/works/16816452219860089504


◆アイディア出しのターン

カラーブラインド

色盲

名を与えてくれた相手

色がない世界で君だけが色を持っていたんだ

君がいない世界でずっと生きていたよ

絶対に見つけられる。だって君はきっと次に会うときも綺麗な色をしていると思うから


ザハラ

一輪の花

宵闇色の髪

君の強い琥珀色の瞳

アルギリア オレンジの花


アイン 意味:目

アイン・ゾハル→光を見逃さぬ者

見つけてくれるから

自分を見るから

色を見る

金色の髪

血の色をした瞳

白い肌

日中は傷が癒えない

魅了と幻惑の魔法を使えるけど日中は効果が弱い

夜に流される吸血鬼の血は魔物を酔わせたり隷属させる力を持つ

昼間でも魔獣は吸血鬼の血に警戒する

狼<猫<烏<蝙蝠 強い

夜は心臓に銀の杭を刺されない限り死なないし傷もすぐに治る

銀が肌を焼く

銀の鏡には映らない

家にあるのは銅鏡なので問題ない

招かれないと家に入れない

ヒイラギの木で焚いた火が苦手(毒になる)

聖水はヒイラギの葉を浸して日光で清めた水のこと

真の姿は金色の竜


下僕達

 完全な吸血鬼ではないので食事を取る

 主の血を与えられた使役動物は主と同等の知識を持つことが出来る

 人間ではないので完全な吸血鬼になるのは不可能。

 定期的に主の血を与えられなければ、そのうち動物へ戻る



Argylia radiata

ラディアータ

ザハラの生まれ変わり

オレンジ色の瞳

あかがね色の髪


シトリー

催淫剤に使われる花

四枚の深い青をした花弁が特徴

スミレの一種で魔素の濃い暗い森の奥に咲く

誘菫シトリー

 催淫剤を使って村の娘をいろいろしようとしたり、媚薬を作って売ろうとしていた


聖堂

 この世界の宗教の一つ。

 マールム教

 二本のリンゴの枝を交差させて束ねた聖印



◆やったこと

 全体を三つに分けて40文字×3行で書く→さらにそれを40字で10・20・10で分解していく→最後に行の間を好き放題こまかいことを書いて行く

 5W1H 誰がどこでなにをなぜどのようにしたか


1 綺麗な色をした女が何かに襲われているのを見た男が女を助け出して自己紹介をする

 1男が歩いている人気の無い森つまらないと思ってる女が魔物に襲われてるのを見る

  鬱蒼とした森。日暮れ時。森の奥へ人は滅多に入ってこない。鳥の囀り木の匂い川が流れる音獣の足音と鳴き声。

  木漏れ日が指している。獣道を散策していると女の悲鳴が聞こえた。面倒だなと思って藪に身を潜める男。


 2見て見ぬフリをしようとしたけどいつもと違う気がして男は女を目を凝らしてよく見る

  魔獣から獲物を横取りしようと身を隠したまま近付いていく男。足音は消したまま。

  最近血を飲んでいないのであわよくば飲もうかと様子を見に行く。パッと見て男はすぐに女が他の人間とは違うとわかった。


 3すごく綺麗な色をしているのでずっと探していた運命の人だということに気が付いた

  色褪せて見える光景の中で女だけが妙に鮮やかで美しく見える。

  血色の悪くてかさついた肌、傷んでぼさぼさの髪、擦り傷とあかぎれと火傷だらけの腕。うっすらと足や顔にある痣や額の傷痕。

  ズタズタのボロ布を体に纏っているだけの骨と皮しかないような細い女から男は目が離せなくなる。

  魔獣が唸りながら女ににじり寄る。腰を抜かしてへたり込んだ女が弱々しく体を丸めて腕で頭を庇うように抱きしめる。

  女の足元にはヒイラギの枝葉と森の奥にしかない誘菫シトリーという青い花が散らばっている。催淫剤に使われる材料。


 4男が魔獣から女を助けて逃げるけど女はお礼を一言だけ言って逃げていくのを見送る

  手首を長い爪で切り付けて血を流す。昼間なので男の傷は癒えない。吸血鬼の血の匂いに気が付いた魔獣が振り向く。

  男は魔獣の頭に拾った石を投げつけて手首の怪我を袖で隠しながら走って女に近付く。女の手を取って立たせようとする。

  立てそうもない女を軽々と抱き上げて走り出す。昼間なので魔獣は吸血鬼に強気。追いかけてくる。女が聖水を持っていると男に言う。

  すごく嫌な顔をしながら聖水の容器を女から受け取った男は魔獣に容器ごと聖水を投げる。魔獣に聖水がかかって逃げていく。

  森の出口ちかくまで来ると女が慌てたように動き出す。遠くから男たちの話し声が微かに聞こえる。

  女を探しているような様子では無く、森の入り口近くで薪を集めに来たっぽい。

  男の腕の中から飛び降りるようにして下りた女は頭を下げて言葉を交わす暇もなく男に背を向けて駆けていく。


 5男は女にばれないように後を追って小さな村まで辿り着くと大きな聖堂がある村だった

  声の主は近隣の村に住む男達だとわかる。女は司祭に言われて男たちも行かないような森の奥へ行けと命令されたらしいと男が知る

  不快になる男。呪いの言葉を吐いて男たちに隠れて村へ行くことにする。烏に姿を変えた男は空を飛ぶ。

  空から女を見守りながら村まで着いていく。森を抜けて川沿いに歩くとすぐに遊牧地と畑があって男は住処の近くにヒトの村が出来ていたことに驚く。

  女は、村の奥にある小高い丘の上の聖堂へ入っていく。魔除けのためにヒイラギの木を焚いて起こした煙が焚いてあるので丘に近付けない男は女を見送る。


 6格差があることに男は気が付く見失った女の姿を探すために村の中を隠れてうろつく男

  男は村人がそれなりに良い服を着ている者とボロ布を纏っている者がいることに気が付く。

  金の髪、青い瞳の青年が赤く上等そうな覆服ローブを白いチュニックの上から身に纏っている。

  褐色の髪、栗毛色ブリュネットの髪……多くいる人間も女のようにぼろきれを纏っていない。

  孤児院を覗く。孤児院にいる子供の方があの子よりも幾分か上等な服を着ている様に思えて男は不快になる

  悪魔を唆した子という言葉を聞いて男はそれが自分が助けた女のことを指していることに気が付く


 7聖堂の教えでは女の髪色と瞳の色が不吉なのでそれが原因で村で冷遇されてると男が知る

  聖堂から女が出てくる。女の頬は腫れていて痛々しい。右足を僅かに引きずりながら歩いている女を誰も助けようとしない。

  鶏小屋よりもボロボロな小さな小屋が建っている隣の民家へ女は入っていくので男は窓にそっと止まって中を探る。

  母親らしきやせぎすの左腕と右足に火傷痕のある中年女に鍋で頭を叩かれ、よろめいた女を中年女が蹴り上げる。綺麗な亜麻色の髪をした姉が女を見下ろして唇を持ち上げる。

  薄く血色の悪い唇を震わせて女は石床へ目を落とす。頭から泥水をかけられても黙ったままでいる女。

  「司祭様に悪魔の力を封じていただいたっていってもなにをするかわかったもんじゃない」と言われる。

  母に「気色が悪い子だ」と言われて家から出て行くように言われると、のそのそと動き出した女は足を引きずって外へ出る。

  ボロ小屋へやっとの事で辿り着いた女は床に落ちている野菜クズを拾ってから小屋の中へ入っていく。

  姉が小さな明るい褐色の髪の兄弟達を連れてずかずかと歩いてきた。女の背中を押して小屋へ押し込むと外から閂をかけて扉を閉めてしまう。

  そのまま楽しそうに笑って畑の方へ行った姉と兄弟たちはしばらくすると馬と豚二頭を引きながら父親と共に帰ってくる。弟たちは僅かに野菜を抱えている。

  ボロ小屋の扉をわざと蹴って、女が返事をしないことを馬鹿にしてから、家畜を庭に繋いで家族は家に入っていく。


 8男は夜になって女の部屋に忍び込む女は怯えた目をして男を見つめてすごく怯える

  太陽が沈んで酒場からすらも人の気配が消えた頃、男は女の閉じ込められている部屋を嘴でそっとノックする。

  返事がないのと家の中からも誰も来ないことを確認して男は人の姿へ戻る。男は辺りに注意しながら小屋の中へ声をかける。

  藁の上で寝ていた女が目を覚ますなり這いつくばって謝り始めるので「しー」っとする男。

  中へ招いてくれと言われて女が頷くと閂が音もないまま外れて男は小屋の中へ入る。


 9女は男が昼間自分を助けてくれた相手だと気が付いて逃げたことをすごく謝る

  女は男の顔を見て森で助けてくれた人だと気が付いて首を傾げる。それから貴族と勘違いをして謝ってお礼を言う。

  男は怪訝な顔をして女のことを見る。言葉もおぼつかない。ただ怯えた目で自分を見ているのがなんとなく不快だと思う。

  男「怯えるな」女「貴族様に無礼をしたら司祭様にも両親にも怒られます」男「お前を助けてやりたい」

  助けてやりたいという言葉にピンときてない女は無邪気にへらっと笑って「司祭様の願いを聞けば神様が許してくださるんですって」と応える

  私は悪魔の力を持ってるらしいです。お母さんのことを傷つけてしまったから……と悲しそうに笑う女


10男は女に自分の名前を教えて相手の名前を聞く。また明日来ると言って男は家を出て行く

  男は女の言葉を聞いて眉を顰める。女はすぐに男に謝る。おどおどしている女に過去の自分が重なって舌打ちが出る。

  貴族様と呼ばれるのが嫌な男は女の手を取って自分の胸元へ持っていく。顔を近付けてゆっくりと話す。

  男「俺の名は光を見逃さぬ者アイン・ゾハル。アインと呼べ」女「アイン様」男「様はいらない。また明日来る」

  女に食事を与えて明日また来ると伝える。お腹が満ちた女はそのまま藁の上で寝てしまう。閂をかけて小屋を後にする


2 女の家や村での扱いが良くないことを知った男が女を自分の家に引き取って世話をする

 1埃の積もったボロボロの家を男は綺麗に整えようと色々なものを買ったり準備をする

  夜中に男は村を出る。することがたくさんあると思っている。森の奥で寝床にしている場所を見て「人が住める場所ではない」と改めて思う。

  村では夜中にはヒイラギの木で焚いた火を消している。少し違和感を覚える(夜こそ悪魔や吸血鬼が襲ってくるので火を焚くのが基本)

  男は寝床にしている大木の上にある木の洞から袋を取りだして金貨や宝石を取り出す。

  人間がかつて住んでいたボロボロの屋敷を手入れするために人手が必要だと思った男は召使いを探すために森へ出て行く。


 2男は家を保つための僕を用意するために森へ出かけて僕にするための動物を探して使う

  男は森の中にいる烏やねずみたちに目を付ける。烏たちを数匹下僕にするために自分の血を数滴与える。

  烏たちは黒い髪をした見目麗しい男女に変身する。赤褐色の瞳。上等な黒と赤のお仕着せを身に纏っている。

  下僕たちの手を借りて家はそれなりに綺麗になっていく。数人の下僕だけ残して男は烏やねずみを解放する。

  

 3準備がある程度出来たと思った男は夜に女を馬車で迎えに行くけど村人はすごく怪しむ

  男は朝になる前に風のような速さで遠くの街へと飛んでいく。朝になるなり仕立屋に服を作らせて夕方までに仕上げるように伝える。

  男は更に街の聖堂前を見る。マールム教では白や色の薄いものが好まれると遠くから聖堂を見て確かめた男は白い馬と白を基調とした客室を轢く馬車キャリッジを買う。

  面倒だと思いながら男は鹿肉や穀物を購入し、更に生きた雌鶏と鳩を数羽購入する。

  荷馬車を一つ雇って荷物を積み込む。割の良い仕事で喜ぶ荷馬車の御者

  日が暮れる前頃に僕を御者にして馬車で村まで向かう。日が暮れる頃には村に着くだろうという判断


 4宝石や金貨と引き換えに男は女を買う聖堂では人の売買は禁じているけど司祭は目を瞑る

  村に豪奢な馬車で行くと村人達が騒ぎ始めた。御者が馬車を降りて客車の扉を開く。

  男の見目が麗しいこと、豪奢な服を着ていることで貴族か豪商だと信じた村人がどよめく。

  領主代理が司祭を連れてやってくる。怪しんだ目。高慢な態度で司祭は男に何が用だと尋ねる。

  男は恭しく挨拶をして狩りのために森で迷っていた貴族だと名乗る。珍しい髪色が気に入ったので女を欲しいと伝える。

  最初は領主の許可無しには無理だと言っていた司祭たち。怪しもうとしたところで男が宝石と肉などを出したのでためらう。

  私服を肥やしたい司祭に男は魅了の魔法をかけて唆す

  村娘の1人くらい死んだことにしてしまえば構わないだろうと考えて司祭たちは男に女を引き渡すことに了承する


 5女の名がアレすぎて気に入らない男は女に名を与える女は戸惑いながら了承する

  女が腕を掴まれながら男の前に連れてこられる。倒れる女。男は女に手を差し伸べて起こす。

  女が「昨日の」と気が付いて男は内緒にするように「しー」ってする。

  御者が扉を開いて男は女を馬車に乗せる。日も暮れてきたので荷馬車の御者は村に残る。

  男は馬車の中で女と話す。女に名前を与える。女は戸惑った表情。

  司祭から渡された銀のチョーカーは外さない。怖がる。


 6男の家に来た女は屋敷の豪華さに驚いて戸惑う女に服と部屋と与えて風呂に入れる食事

  森の奥深くまで来て馬車が止まる。フクロウの鳴き声や獣の気配が満ちている。女は怯えながら馬車から降りる。

  目の前に柔らかい光が灯って屋敷がぼんやりと浮かび上がる。二階建ての大きな屋敷に女は驚く。

  両開きの扉、広間、広間の奥に壁、部屋の左右に階段、広間の両サイドに使用人の部屋、二階には私室が二つ、厨房は広間の奥にある

  女が戸惑っている。眉尻を下げる。男は女の手を引いて階段を上る。私室へ案内する。


 7男は女が寝る前に屋敷での決まり事を伝える女は男に恐縮しながら頭を下げて寝具に入る

  勝手に外へ出ないこと・夜は部屋から出ないようにすること

  女は湯浴みをさせられ服を着替える。髪を結われて戸惑う。

  男は女を寝具まで連れていって横たわらせる。軽い食事を与えて寝るように言う。

  女の寝顔を見てから、男は溜息を吐く。血を欲しいと思う。血を求めるために夜の森へと出て行く


 8女は下働きの仕事を始める料理をするけど男は人の食事が出来ないので女が反省する

  女の村で獲物を見つけようとしたがやめて、足を伸ばす。夜道を駆けていた商人の荷馬車を襲い食料を奪い商人を殺す

  朝方家に戻り、下僕たちにも血を与えると部屋へ戻っていく。

  女の部屋で物音がするのを聞きながら眠りに落ちる。扉をノックする音で男は目が醒める。

  女に御主人様と言われたので「名前で呼べ」と伝える。女が朝食が出来たと伝えてきたので驚いて目を丸くする男

  階段を降りていき下僕たちを軽く睨む男。女が謝ってくるので溜息を吐いて女を見つめる。

  女に「私に食事は不要だ」と伝えると女がめちゃくちゃ恐縮する。下僕達は吸血鬼ではないので食事を取れる。下僕達に余った食事は与える。

  女が食事を食べるのを同席して眺める男。昔のことを思い出して懐かしい気持ちになる。食器の使い方を教える。


 9男が女が良かれと思って焚いたヒイラギの木の煙を吸って酷く咳き込んでしまう

  女の世話を下僕たちに任せて男は眠りに就く。息苦しくて目が醒めて部屋からでる。

  屋敷に白い煙が漂っていて、咳き込みながら暖炉へ向かう。暖炉にはヒイラギの木が焼べてあり、火傷をしながらそれを掴んで外へ放り投げる。

  中庭で下僕の一人と鶏の世話をしていた女が驚いて男に駆け寄ってくる。ヒイラギの木を焼べたかを聞かれる。女は頷く。

  男の手の火傷を見た女が取り乱す。男は喉が弱くヒイラギの木が出す煙が自分には良くないものだと嘘を吐く。

  広間に戻って椅子に座り、男の火傷に薬草と布を当てる女。泣きながら謝る女に男は「気にしなくていい」と伝える


10失敗をたくさんした女が男に自分は不要ではないかと聞くけど男はそんなことないという

  夕食を食べ終わり、文字の読み書きを教わりながら女は男に聞く

  自分が珍しい髪の色をしているからってこんなによくしてもらってもいいのかと

  自分は前世で悪魔を誑かしたせいでこんな髪の色に生まれてしまった。信仰をすることで罪が許されるはず

  男は内心不快になりながら女の話を聞いてやる。女はめそめそと泣きながら眠ってしまう。


11女が屋敷に近付いて来た人に話を聞く。魔物の噂を聞いて村の人達を心配する

  女が中庭で鶏と羊の世話をしている。下僕たちは女を信頼していて目を離していた。

  門のところで声がして見知らぬ人間に女は話しかけられる。人間は近頃近辺をうろついている魔物のことについて女に尋ねる。

  訪ねてきたのは魔物ハンター。ハンターは魔物の気配を感じ取る。女があまりにも無防備なのでさすがに女の子とは疑わないハンター

  女を貴族の令嬢だと思ったハンターは気をつけるようにだけ告げて門から離れて森の中へ消えていく

  女は男に人が尋ねてきたことを教えると男が難しい顔になったので首を傾げる。

  屋敷は人間に見つからないように幻覚の魔法で隠していたので幻覚の効かない人間が来たのだと予想する男

  不安そうな表情になる女を安心させようとして女から村も心配だと言われて男は戸惑う。


12村の様子をこっそりと見に行く男司祭が村人に女が魔物を呼び寄せたと唆すのを聞く

  男は女の村に忍び込む。ヒイラギの木を焚いていない聖堂へ入り込み司祭のことを調べる。

  司祭は夜、シトリーの花を使って村の女を侵しているし、媚薬を売った金で贅沢をしているのを知る

  屋敷に尋ねてきた男が魔物ハンターだということを知る。

  魔物ハンターを殺そうとしたが気配が探れない。悔しい思いをしながら男は屋敷へ戻ることにした。


13村に戻りたいという女を男は止めるけど村から使いが来て両親が怪我をしたと女に伝える

  翌朝訪問者が来る。拒もうとしたが女に見つかって渋々訪問者を屋敷へ入れる男。

  両親が怪我をしたことを告げられて女は取り乱す。私が罪から逃げたので両親が怪我をしたと思い込む。

  訪問者を殺してやろうと思ったけど女がいるから出来ない男。訪問者はビクビクしながら男の様子を伺っている。

どうやって屋敷へ来たか尋ねたが村人は答えない。魔物ハンターから貰ったアイテムの仕業っぽい


14屋敷で女が泣きながら懇願するので男は村に戻るのを仕方なく許した

  女は泣きながら一度家に帰してくれと懇願する。男は条件付きで女を家に帰すことにした。

  薬を持たせるから両親に渡してすぐに帰ってくること、殴られたり閉じ込められた時はハシバミの枝に口付けをするようにと言って小枝と軟膏を持たせる。

  痩せた馬の背に乗せられた女を見送ると、下僕を烏に戻して村へ向かわせる。


15男は村に僕の動物を放って様子を見ると村では女に男は化物だと村人が伝えていた

  烏の目と耳を借りて村を見る。村で女は家に連れて行かれる。両親が怪我一つしていないことに驚く女に両親は猫なで声で話しかける。

  あまりの態度の違いに戸惑う女だったけど親に軟膏を渡そうとする。軟膏は叩き落とされて驚いていると母親が隠れていた司祭様と魔物ハンターを連れてくる。

  司祭から賄賂を貰った家族は娘を利用することにした。魔物ハンターは難しい顔をしている。


16女は村人から銀の杭を手渡されて男を殺すように言いつけられて村を送り出される

  司祭は「呪われた赤毛の娘は碌に仕事も出来ない穀潰しだったがやっと役に立つときがきた」的なことをオブラートに包んでい言う。魔物ハンターはちょっと不快そうな表情

  銀の杭と聖水の入った角筒を女に手渡す司祭。これで男を殺せば村に戻してやるという。頷かない女に司祭は男がどんなに邪悪な生物なのか言葉で言う。

  腕を乱暴に引かれながら女は家の外に連れ出されて聖堂まで連れて行かれる。聖堂の裏手にある墓地には浮浪児や老人が惨い殺され方をした死体が積み上がっている。

  男がこれをやったと言われて女は言葉を失って真っ青な顔になる。烏の目を借りている男は顔を歪める。自分では無く司祭が殺した不要な村人たち。

  魔物ハンターが死体を見て何か言おうとするも司祭に遮られる。女の手を握り、司祭は涙ながらに告げる。

  「わたしは村を守る為ここから離れられぬ。これは前世の罪を洗い流すチャンスだ。お前が魔物を招き寄せたんだ。きちんと殺してきなさい」

  魔物ハンターが耳打ちをしてくる。「ここで断ればあんたも殺されるぞ」と。女は頷いて銀の杭を胸元に抱きしめる。

  「オレが断ったからあんたに白羽の矢が立っちまった。すまないことをした」断った理由→司祭が嘘をついているっぽいから。吸血鬼の根城に血の匂いが充満していないから。

  旅立つついでに送り届けてやると言われ、ハンターの馬に乗って森の奥へ戻っていく。


17家に帰ってきた女を男は何も知らないフリをして迎え入れる

  男は目を閉じて溜息を吐く。それから女が帰ってくるのを門で待つ。

  女が門の外に姿を現わす。男は魔物ハンターの黒い馬から下りてこっちに駆け寄ってくる女を出迎える。

  「オレは二つ森を越えた先の○○○へ行く。お嬢さん、元気でな」それだけ言って魔物ハンターは去って行く。


18女が男に真相を質問したので男は自分が吸血鬼であることを明かす

  屋敷の中に入るなり、男に質問をする。あなたは化物だというのは本当なの?と聞く

  外套を脱いで手に持っていた革鞄を食卓へ置くと女は男の顔を見つめた。


19銀の杭と聖水の入った角筒を出して女は男に村での顛末を話して伝える

  女は鞄の中から銀の杭と角筒を取りだして並べる。

  村で両親は怪我をしていなかったこと、そして人の死体をたくさん見たこと、それに男が化物だと聞いたことを伝える。

  男は悲しそうな顔をして涙を流す女の頬をそっと指で拭う。それから、大きな溜息を吐いた。


20男は女に吸血鬼だということを隠していたことを謝り、一緒にいて欲しいと伝える

  男は自分が吸血鬼であること、銀に触れたら火傷をすること、聖水でも皮膚が焼けてなかなか治らないと伝える。

  血を吸って生きるしか無いので人を襲ったことはあることを話す。人を殺したこともあると言う。

  女の村にある死体には身に覚えが無いことや、女の血は吸わないこと、嫌ならヒトの血を吸うのをやめたっていいと伝える(味を我慢すれば獣の血で代用可能なので)

  隠していたことを謝った男は女と額をくっつける。君の死を看取らせて欲しいと伝えて、女もそれを頷く。


3 女を人質にとられた男がすごい怪我をするけど女が立ち向かったおかげで男は助かる

 1女が帰ってこないので裏切りと男の報復を恐れた村人が女の親を男の家に差し向ける

  女もヘコんでいたところからなんとか落ち着いて笑顔が増えてきた。神へ祈ることはやめないけど以前みたいに自分を責める回数は減った。

  魔物ハンターが去ったことで村人たちには吸血鬼に手を出せないだろうと思い、男は安堵しながらもどこかへ引っ越しをしようかと考える。

  森に血まみれの死体がいくつも投げ込まれる日が続く。血の匂いで男の嗅覚が鈍る。

  ある日、声が聞こえると言って女が不安そうに言うので一緒に庭へ出て行く。門には気が付いていないけど女の両親がぼろぼろの格好をして外をうろつきながら女を呼んでいた。

  女の顔を見て、男は溜息を吐く。村まで送り届けるだけだと伝えて門を開く。


 2門を開いて女が親へ駆け寄ると石が投げられて女の額に当たる。倒れる女を担ぐ母親

  女が門から出て行く。母親が女を見て大きな声で「出てきたぞ」と叫ぶ。男が罠だと気が付いて駆け出そうとする。

  女の額に石が当たって女は倒れる。頭に麻袋を被せられて引きずられていく女。叫び声が聞こえる。

  母親を殺してでも止めようとすると、野卑な男達が数人飛び出してくる。


 3聖水の入った瓶を積んだ荷車が横転している気絶した女が馬に乗せられて消えていく

  藪から荷車が現れてひっくり返される。聖水の入った瓶が倒れて土に染みこむと男は後退りをする。

  飛び出してきた男達は吸血鬼に何もしないで馬に乗って遠ざかっていく。生け捕りにしろと司祭に言われている。

  朝陽が昇るのと同時に村に来いと大きな声で告げて男達は去って行く。


 4女が親に攫われるのを見た男だったけど家の周りに聖水が撒かれててすぐに追えない

  すぐに女を追おうとするが、聖水で両足が焼ける。止める下僕達。

  円の形に水が撒かれていて簡易的な結界になっている。空を飛んで行くことも出来ない。


 5僕に頼んで聖水を獣の血で洗ってから女を追いかけて村まで行く男を司祭が出迎える

  家畜を殺して、血で聖水を穢す。結果を破った男は女を助けるために村へ行く決意をする。

  下僕を解き放つ。自分が生きて戻れるかはわからないから。

  女の声が聞こえる。ハシバミの枝に女が祈りを捧げる声。弱々しい声。男が助かりますようにと願う声。


 6張り付けにされている女に駆け寄った男の体に村人が聖水をかけて男が苦しむ

  朝陽と共に男は村へ行く。女は村の中央にある広場に張り付けにされていた。

  村には誰もいない。女の元へ駆け寄ると、革袋が括り付けられた矢が放たれて男の体に聖水が掛かる。

  呻き声を上げた男と、悲鳴を上げる女。女に「夜が来ればこんなものは治る」と強がる男


 7女を火あぶりにしたくないなら大人しく死ねと言われてそれに従おうとする男

  司祭がやってくる。無法者の男達を従えている。手には松明。

  吸血鬼の血や肉は魔術師や好事家に売れる。家畜になるなら女と男の命を助けてやると言われる。

  女に良い扱いを保証するなら家畜にでもなんにでもなると言う男。司祭は笑う。女はダメだと叫ぶ。


 8その前に女と二人きりにしてくれと言う男は四肢を切り落とされて女と二人になる

  司祭はせめてもの慈悲的なことをいう。男の四肢を銀の剣で切り落とす。悲鳴を抑える男と泣き叫ぶ女。

  張り付けられていた木の杭から下ろされる。男は女の目の前まで這うようにして進む。嘲る司祭たち


 9足に重りをつけたままの女と二人になる男は女にさよならをいうけど女は認めない

  君を同族にはしたくない。やりたいこともたくさんある。一つだけ頼みたいことがあると男はいう。

  女は男の体を抱きしめて、頬ずりをする。血まみれになる女。蝋燭の火が燃え尽きるまでの時間制限。蝋燭の火が揺れる。

  あかがね色の髪は異端の神からの寵愛の証だと告げる。

  女が銀のチョーカーを自分から外す。

  祈れば応えてくれる。似たことがあったはずだ。血の赤、俺を活かす赤、炎の赤。

  祈る女。心に浮かんだことを言えばいいと言われて、男の手を握る。熱い指先。口付けをする女が血が付いた口を腕で拭う。


10吸血鬼の血を吸って力を手に入れた女が司祭と村人を倒して男と屋敷に帰る

  髪の毛を逆立てた女がゆらりと立ち上がる。司祭たちが慌てて女にも聖水をかけるけど女には効かない。

  琥珀色の瞳が血の色に変わる。牙が生えた女が地面を蹴って司祭の周りにいる男達をぶちのめす。

  野生の獣、アカギツネみたいだなと男は思う。司祭の喉元を細い手で掴む。唸りながら女は司祭を睨みつけた。

  命乞いをする司祭から手を離して地面に落とす。それから家に隠れている村人へ吼えるように女は叫ぶ。

  司祭は子供たちや老人は自分が殺したと白状する。魔物ハンターが戻ってきて口笛を吹く。

  魔物ハンターはこの村の領主に司祭が村で私服を肥やしていると告げに行っていた。番兵たちが司祭を捕らえる。

  血まみれの吸血鬼に娘は血を与える。吸血鬼の傷が癒えていく。

  剣を構える番兵たちは「見逃せ」と言われて剣を下げる。

  女はハンターにお礼を言って頭を下げる。吸血鬼は女を抱きしめながら姿を隠した。

  二人で旅をしようと男は言う。色々なものを見せて、色々なことを経験して欲しいと。

  北へ行くと、あかがね色の髪を持つ人が暮らす不思議な国があるらしいと聞いてそこを目指そうという。ラスト?

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