赤ずきんは狼を屠るのか?

西芹ミツハ

一、人狼駆除組合の掟

 我ら気高き人狼駆除組合じんろうくじょくみあいは、赤きころもをまとい、コランバインを胸に掲げ、一つの大きな家族として、互いに支え、助け合い、人狼を排することを誓う。ゆえに、頭領が示す以下の掟を鉄則とせよ。


 一、命には代えず、人狼を駆除せよ。そなたの命は一人の物でないことを覚えよ。ただし、手抜かりなきよう任務に臨むこと。


 二、か弱き人々を守るため、時には人々の盾となり、人命の救助を第一とせよ。ゆえに、任務にのぞむ際は、必ず二人以上で組んで行動すること。一番に、互いに助け合うことを遵守じゅんしゅせよ。


 三、人狼とおぼしき者は、必ず満月の夜に変化へんげをしたことを見届けてから、速やかに駆除せよ。たとえ、人相書きと似た者であっても、必ず変化を認めるまでは手を出すべからず。

 疑わしきを罰することのなきよう心せよ。万一、誤って人を殺めた場合は、頭領の裁量にて厳罰に処す。


 四、人狼は憎むべき魔物として、一切の情を与えぬことを心得よ。


 この四つの掟を胸へ刻み、頭領の命に背くもの、任務の間に行方をくらますものは、組合から除名とする。


 以上。

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