魔族の襲来④
カリーナが炎の蛇と戦っていると同時刻村長の家の前では、フォレスと炎の蛇が戦っていた。
「と、言っても。僕は戦えないんだよな。止める事しか出来ないんだよ。な!!」
魔力で作った鎧と盾で尻尾の攻撃にブレスのような攻撃を防いでいく。防いで防いで防いで防ぐ。そして、炎の蛇が尻尾を上から叩きつけるようにして来るのを盾を正面で受け止めながら横に受け流す。
「さて〜、この化物をどう倒してやるかな」
炎の蛇は尻尾やブレスで攻撃しても全く倒れない僕に痺れを切らしたのか、大きく口を開け顎が外れてるんじゃ無いかと思うほど大きく開けて突っ込んで来た。
「あんなの盾で防げない!!」
盾で防げない。ならどうするか。防御範囲を拡大させればいいのだ。
単純にそう考えた僕は餃子の羽の様に魔力を動かし、盾が先程の3倍にまで大きくなり、炎の蛇を止めた。
「ん、押されてる」
止めたはいいがどんどん後ろに押されていく。後ろには村長の家があり、守らないといけないものがある。
そんな時だった。
「みんなを集めました!!!」
村長がみんなを集めて戻って来た。
「ありがとう。それじゃ!! はっ!!」
戦いが始まる前に掛けておいた『絶壁』の上に、覆う様に魔力の壁を作った。
「こいつらを倒し終わるまでそこでじっとしていて下さい!!」
「わ、分かりました!!」
そのまま炎の蛇の攻撃をいくつか防いでいると村人たちのこんな声が聞こえて来た。
「俺たち、死ぬのかな?」
その言葉がどんな意味を持って発したのか僕には分からない。村が燃え盛る現状を見てそう言ったのかも知れない。けれど、僕には全く違う意味に捉えてしまった。
「そうか。こいつは火だ。酸素が無くちゃ燃えられない。それは、地球じゃなくても同じ……だと思いたい」
そこで僕は機会を待った。炎の蛇が僕の盾に突っ込んでく来てくれるまで、僕は防ぎきる。
しかし、そんなうまく突っ込んで来てくれる訳もなく、10分程が経過した。そのタイミングで遠くの方で大きな爆発音が聞こえた。
そして、それと同時に炎の蛇が俺に向かって突っ込んで来た。
「っ!? 来た!!」
遠くの爆発に驚きながらも蛇の攻撃に腰を落として備える。そして、炎の蛇が盾に当たる少し前に魔力で盾を広げる。そして、そのまま魔力で炎の蛇を囲んだ。
すると、炎の蛇はボシュッと音を立てて消えた。そして、盾を鋭くしてその蛇に突き刺した。
「よし。討伐完了!!」
炎の蛇を討伐し終えると遠くから燃えている家に向かって水を掛けながら走ってくるカリーナが見えた。
「フォレス!! 無事!?」
「うん。僕は大丈夫。カリーナは?」
「……う、うん。なんとか、ね」
「そっか」
「ねぇ、さっきの爆発って……」
「カリーナじゃないの? ってことは、リュクスだね」
「行こう!」
「うん」
そして、フォレスの魔力で守っていた村人たちを解放した。
「みんなはここから離れて!! 避難してください!!」
「分かった!! みんな高台に避難するぞ!!」
「「は、はい!!」」
村人たちが村の外に逃げて行くのを確認して僕たちはさっきからする爆発音の方に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます