「おはよう、世界。おやすみ、僕の夢。」


どれだけ足掻いても、視界は開けるもので。

綺麗な夢の中に居たい。

と、思うほうが馬鹿で。

体はきちんと時計を持っている。

朝は起きるものだと知っている。


起きたくない。


学校に行きたくない、仕事に行きたくない。

とかじゃないんだよ。

あっちの夢が僕の現実なんだよ。

こっちの世界が偽物なんだよ。


でも仕方ないから、

僕は上体を起こして、

ベッドから降りる。


ああ、早く起きたい。

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