第18話体育準備2
「結依、テント建てるの手伝って。」
今日は体育祭前日だ。 各クラスでテントを建てる作業中なのに僕は、戦力になれなかった。
「分かった。」
重い、とても重い僕ってこんなに力無かったかな?
支柱すら持てない。やばいよ......僕だけ、作業してない。
「結依大丈夫? 無理しなくて良いよ。」
「だ......大丈夫だよ。 僕も皆の役に立ちたい。 」
「無理しないで結依。 怪我したら意味無いし。 結依は大人しく見てて。」
美香に止められた。 僕は男だったのに......なんでこんなに貧弱になったんだろ?
普通の女子よりもか弱い女の子になってるし。
僕は、本当に女の子になったんだ。
本当に前とは違う。
「結依どうしたの? そんな暗い顔をして。」
「僕って、役に立ってないなぁって。」
「結依は、何もしなくても良いんだよ。そこに居てくれるだけで私は、構わないから。」
美香は、何故かそんな事を言ってきた。
その言葉の意味は、分からなかった。
どうして僕だけなの?
これからどうしたらいいの?
「結依......どうして泣いてるの?」
「あ、あれ可笑しいな......僕なんで泣いてるの? 辛くないのに......分かんないよ。 どうしてなの?」
「ゆ、結依落ち着いて、深呼吸して。」
僕は、何故か涙が止まらなかった。
ど、どうしてなの?
泣き止んでよ......なんで、なんでなの......止まらないよ。
僕は本当に、必要ないのかな。
突然女の子になって、色んな事あった。
女の子になってから、本当の僕は、こんな事してない。
女の子になってから、僕は皆とは違うから。
これで良いのかも分からない。
誰か助けてよ!!
僕を救ってよ。
「やっぱり君は、こうなってしまったんだね。 雪城結依......君が女の子になる前に私に会っているはずだよ。 思い出して。そうしたら君は救われるはずだよ。」
「桜木さん君は、何なの?」
「それは貴方が決めればいい。雪城結依貴方なら変えられるから、あの頃の自分を。」
桜木さんは、そう言って僕の前から消えていった。
僕は、どうしたらいいんだよ!
「結依、ごめんね。言葉が足りなかったね。私は、結依が好きだから、結依に怪我して欲しくないから。だから、ごめんね。」
僕は、何をやってるんだろ?
こうして僕の心の中の不安が少しだけ無くなった気がした。
「結依頑張ろ。明日は本番だから。」
こうして僕達の体育祭が始まった。
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