ユグドラシル
ユグドラシルへ
俺達はアルナロック王都ベルンへ向かった
道中1ヶ月がという長旅だったが、ようやくベルンに到着
「「「けつが痛い」」」
開口一番に西野や林がぼやく
だが、ぼやいている状況ではなかった
「島村君、みんな早く、王様のところに行って
エリスさんが大変なの。あなた達も関係あるわよ」
クラスメイトの百瀬が呼びに来た
俺達は急いで王城に向かった
そして、王城に入るなり、いいきなり拘束された
「いったいどうなっているんだ」
「わからん」
皆、訳がわからない
俺達は王の座の広間に通された
そこには拘束された司教エリスの姿があった
「国王、これは一体?」
島村が全員の代表として聞く
「勇者島村よ。そなた達も嫌疑が及んでおる」
「島村君、ごめんさない。秘密が暴かれたの」
エリスが顔を下に向けて呟く
秘密、どういう事だ?
「以前から、エリス司祭には良く無い噂があった
それで内偵を進め、ついにエリスの罪が判明した」
「どういう事ですか?」
「エリス司祭はこの王都で魔族と密会しておった」
「司教として、いや人として人類への裏切りだ」
「そ、それは......」
「国王陛下、私達はアルデンヌの
かつての勇者達のダンジョンを攻略しました
しかし、勇者達は魔族を友とできるとしております」
『おおおおーーーーーー』
王の間の家臣は多いに驚いた
「その様な事がある訳が無い、そなた達はその
背信者エリスの騙されておるのじゃ」
「しかし、私達には本当の事の様に思えます」
「それ以上言うでない」
このままでは、そなた達を極刑としなければならない」
「そんな!
魔王はどうするのですか?」
「魔王は新たな勇者秋山殿に討伐を願う」
「島村悪く思うな。俺達はベルリンの
試練のダンジョンを攻略した」
「どういう事だ?」
「魔王は勇者出なくとも倒せる」
「......」
「島村、考えを改めろ!
そうすれば、お前達の処分は軽くなる
前と同じ様に俺達の仲間に戻れる」
「秋山、試練のダンジョンで、かつての勇者の言葉を
聞かなかったのか?」
「聞いたさ、そして良く考えろと
俺達は考えた上、人間側についたんだ」
「それではこの世界の本質的な救済にならない」
「俺達は迫害されるのはごめんだ。お前達以外みんな
同じ考えだ」
「秋山、そして王よ。あなた達はご存知か?
神徒アリシアは魔族だった
あなた達は自ら崇拝していた者を傷つけている!」
「なんと罰当たりな
よりにもよってアリシア様を魔族だなどと」
この国の大司教が激怒する
「この者達に極刑を、神徒アリシア様を侮辱した罪
死をもって償う以外に無い」
「島村、いい加減にしろ、短絡的な正義感などすてろ」
「俺達は救世主だ。全ては高野への贖罪だ
俺はこの世界を根本から救いたい」
「馬鹿な」
秋山は諦めきれない様だ
「皆さんも島村さんと同じ気持ちですか?」
エリスが俺達に問うた
「もちろんです」
南が即答した
「「「俺も」」」、「私も」、「我も」
みな島村と意見は同じだった
「わかりました。皆さん、私達についてきてください」
「司教エリス、この後に及んで何を言っておる
そなたに何ができる」
「国王陛下、私は父の教え、そして魔族の友に誓いました
人間と魔族が共に手を取り合う未来を作る
その為には命など惜しくはありません」
「残念だ。元司教エリス、そして勇者他6名を勅命により極刑とする」
国王が裁定を行った。ここは力尽くで逃げるしか無いか......
その時、王の間の中央に魔法陣が現れた
そして褐色の肌、頭に角が二本生えた人外の存在が現れた
「人の王よ、我の許婚をもらい受ける」
「シュミット!」
エリスは魔族の男にそう呼び掛けた
「やはり、司教は異端、よりにもよって王の間に
魔族を呼び寄せるなど」
大司教を初め、多くの重臣が怒り狂う
「シュミット、私だけでなく、この人達も!」
「わかった。彼らは貴重な理解者だ。友となり得る」
「人の王よ、私の許婚と友人をもらいうける
さらばだ」
「待って、私も連れて行って!」
秋山達のチームの百瀬がこちらに走ってきた
「な、百瀬!」
秋山が叫ぶ
「ごめんなさい。私、島村君達と同じ考えなの」
「シュミット、この人もお願い」
「わかった」
魔法陣がエリスや俺達を囲んだ
そして、俺達の周りの魔法陣は俺達を転移させた
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