第5話
【都市伝説マサオさん。眠れない夜のお供にどうぞ その3】
皆さんこんばんは。管理人のマサオです。
本日はマサオさんの子供達についての噂を書いていこうと思います。
マサオさんの子供は二人居ます。
一人目は長男のソラタ。
二人目は長女のハルカ。
では、まずはソラタについての噂になります。
ソラタは生まれつき心に病を患っていました。それに気付くまでは暫く時間が掛かりました。
最初に気付いたのは、母であるアケミでした。近所に住む奥様方と話している時の事です。
その奥様とは同じ年に子供を産んだ為お互い育児について色々話す事が多かったようです。ある日奥様から子供が言葉を発する様になったとアケミは聞きました。
それを聞いたアケミもそろそろソラタも話せる頃だと思い、色々な言葉をソラタに向けて話してたそうです。
ですが、ソラタはいつまで経っても言葉を話さない所か二本足で歩く事もありませんでした……。
知り合いの奥様とは毎日の様に会って話していましたが、子供の成長は早いらしく会うたびに新しい何かが出来たなどアケミは聞いていたらしいです。
アケミはこの頃からソラタの成長が遅い事に気付き始めていましたが、敢えて気付かないフリをしてソラタが話せる事や歩く事を待ちました。
ですが、いつまで経ってもソラタは出来るようになりませんでした……。
この頃からアケミは近所の奥様と会う事が苦痛に感じる様になりました。奥様の口からは子供が成長する具合を事細かく聞かされていました。アケミもソラタはこんな事が出来ましたと言っていましたが、実際には出来ていませでした。
流石に変だと言う事でマサオさんと一緒に山を下りて町の病院でソラタを診てもらう事になりました。
そして結果は親ならショックを受けるものでした……。
それからアケミは近所の奥様と会わなくなり、マサオさんへストレスをぶつける様になりました。
そしてソラタが小学生に上がるくらいの歳に、それは始まりました……。
ソラタも一人で歩け様になり、言葉になっていない言葉も話す様になりました。
そしてソラタはよく虫を捕まえる様になりました。最初は微笑ましく思ったマサオさんとアケミでした。ですが日が経つにつれてソラタは異常な行動をする様になりました。
まず始めにソラタは捕まえた虫を手で引き千切る様になりました……。
子供は残酷です。それくらいなら誰でも一度は通る道だと思いマサオさんもアケミも対して気にはしていませんでした。
ですが、ソラタは次第にエスカレートしていきハサミを持ち出して虫の身体を切断したり、バラバラにしていました。しかも、ソラタは笑いながらおこなうので、流石に異常だと思いマサオさんは注意をしました。
最初は素直に聞きますが、次の日になると笑いながら虫を切断していました。
それから例の事件が起きるまでの間、ソラタは毎日、笑いながら虫の身体を切断していたようです……。
次にソラタの妹である長女のハルカに付いての噂になります。
ハルカはソラタと違って元気に生まれてきました。問題無くすくすくと育ちました。
恐らく最初に生まれたのがソラタでは無くハルカであったならば、マサオさん家族はまた違った形の家族になれてたんだと思います……
ハルカはとても元気で良い子でした。物心が付き一人で外を歩き回れるくらいの歳になった時には近所の人に笑顔で挨拶する子でした。
村に同じ位の歳の子供が居なかった為、ハルカはいつも一人でしたが、持ち前の明るさで近所の人達がよく構ってくれました。
遊び盛りの歳に一人は可愛そうだと思いマサオさんはゲームを買ってあげました。
ですがハルカはあまりゲームをやらずに外で駆け回ったりする方が好きな様で一日中外で遊んでいました。また、ハルカはとても賢く勉強も自主的に励んでいました。これも両親に褒めてもらいたくて頑張った結果です。
真面目で礼儀正しく、毎日元気良く挨拶するという事で、近所の人からいつも褒められる、マサオさんとアケミ。
自慢の娘であるハルカをとても誇らしく思ったマサオさんですが、アケミはどうやら違ったらしいです……。
アケミは溺愛しているソラタが出来ない事を次々とこなしていくハルカが気に入りませんでした。
それからアケミはハルカにも徐々にストレスをぶつける様になりました。最初は怒鳴り散らしたりする程度でしたが、子供であるハルカからしたら堪ったもんじゃありません。
それでもハルカは必死に勉強し、両親に褒めて貰える様に頑張りました。マサオさんは褒めてくれます。
ですが、アケミは頑張れば頑張る程ハルカに酷い事をする様になりました……
とうとうアケミはやってはいけない事をする様になりました。それは暴力です。ハルカは良く外に出る為顔は殴らず、見えない所を執拗に殴り続けました。
ハルカは思いました。何故こんな事されるのだろうかと……。
アケミは巧妙でした。マサオさんにバレない様ハルカを言い包めました。これはハルカを愛している結果での行動だと伝えました。
子供であるハルカは信じました。痛い事は嫌だが母親に愛して貰えていると勘違いしました。
ですが、心では満たされても精神や肉体的な部分は正直でした……。
ハルカは徐々に元気を失って行き、外にも出なくなりました。近所の人が心配になりマサオさんに聞きますがマサオさんも理由は分かりません。
恐らくハルカは自分が外に出ると母親は良く思わないだろうと直感的に感じ取ったんだと思います。その時期からハルカは買ってもらったゲームをする様になりました。
それはどんどん悪化し、遂には一歩も外に出ず一日中ゲームをして過ごす事になりました。それでもアケミからの暴力は続きましたが、ハルカはそれを愛しているから暴力を振るうんだと思い耐えていました。
そしてあの事件が起きました……
以上がマサオさんの子供達のまとめになります。
他にも子供達の噂や情報を入手したら随時更新していきたいと思います。
それでは今回の記事はこの辺で終わりにしたいと思います。
※当サイトを見て実際に村に行き何かあっても当方は責任を負いません。各自の判断で実行して下さい。
「ハルカ良い子なのに可愛そう……」
どうやらオカはハルカに感情移入したらしい。
「それにしても、マサオさんも気付いてやれよ……」
一人で感想会を開いているスマホから音が鳴った。どうやらメールが来たらしい。
「お? カリンからだ」
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件名:都市伝説
【本文】
オカ起きているー?
都市伝説マサオさん その1見たけどめちゃくちゃ気持ち悪いねー。
私、鳥肌立っちゃったよ。
詳しい感想は会った時に話すね!!
おやすみー!
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「お!? カリンの奴本当に見てくれたのか」
オカは女の子とメールのやり取りをしている感動さえ忘れて、明日にでも会って話そうと返信する。
「どうせなら最新まで見て欲しかったけど、贅沢は言えないな!」
都市伝説マサオさん仲間第一号が出来た事に喜ぶオカは興奮しながらもベットに潜り込んだ。
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