第2話 三日でパーティー追放
五歳の頃からひたすら修行して、剣の腕を磨いてきた。
素質がある者しか発現しないという魔法も修行してきたし、邪悪なる魔力から身を守るオーラ……聖気も身にまとえるようになった。
でも、まさか所属したパーティーから、たった三日で追放されるとは思わなかった。
三日目。パーティーリーダーは冷ややかな目で俺を見て、犬でも追い払うように手を振った。
「お前のような使えないやつを入れてやったのは、荷物持ちと雑用係が欲しかっただけだ。他に適任が入ったから、お前はいらん。さっさと去れ」
俺は呆気にとられた。
全ての新入りがパーティーに馴染めるわけではないという事は分かっている。
だがそれでも、馴染む努力もしないまま、できないままに追い払われるとは思わなかった。
一応、こちらから歩み寄りはした。
だが、連中は俺の事を元からただの荷物持ち兼雑用使いとしか思っていなかったようだ。
初めから、俺に歩み寄る気などさらさらなかったのだろう。
俺は追放を言い渡したリーダーと、もう元パーティーメンバーになってしまった攻撃魔法の使い手と治癒魔法の使い手、弓使いに「お世話になりました」と頭を下げて、彼らの元から去った。
それから先は同じ事の繰り返しだった。
どのパーティーに入っても、必ず数日で追い出される。
さすがに三日で、という事はなかったが、それでも一週間かそこらで突然手のひらを返されるのだ。
態度を悪くしたつもりも、我儘を言ったつもりも、足手まといになったつもりもないというのに。
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