【詐欺】かんぽの営業が元TOKYOの山口メンバーそっくりだったせいで、私までまんまと騙された件3【ブラック企業】

 私名義の保険Bは、満期まで、まだ二年近くあった。


 それが、すぐに下りるというのだ。


 いや、はっきりとそう言った訳ではなかった。しかし、『保険Aの保険金を、保険Bに充当して、保険Cに新規加入』と言われれば、普通はそう解釈するだろう。


 まさか、この元国営企業の郵便局であるかんぽ生命が、顧客に保険を二重に加入させるなどという、まるで詐欺師のような非道なことをするはずがない、そんなことはあろうはずもない、そう思っていた。


 男は、まず保険Aの保険金支払いの手続きを始めた。

 その保険金は、私の口座に振り込まれることとなった。


 そして、おもむろに新規の保険Cの加入の説明を始めた。

 年齢のせいか、毎月の保険料はやや高めだったが、どうせ詳細などわからないので、条件は適当に決めた。元メンバーは、一生懸命に説明してくれた。そのひたむきさに心を打たれて、私の方もタブレットに入力する指に力を込めた。


 そして元メンバーは、契約手続きが終わると、そそくさと私の家を後にした。


 翌月、通帳を見ると、保険料は普通に徴収されていた。まとめて徴収された形跡はない。

 言うまでもなく、保険金も振り込まれておらず、特に通知も来ない。


 何のことはない。

 下りた保険Aの保険金を口座に入れておけば、そこから保険Bの保険料が自動的に徴収されるというだけのことだった。

 そして、保険Cの保険料もしっかり徴収されている。

 一年以上も保険が重複して、高い保険料を二口分払う羽目になったという訳だ。


 こうして新車購入もおあずけになった。

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