第179話 とある裁判の話題
1月21日の新聞に coin-hive事件 最高裁で無罪判決 という記事が出ている。
この事件は、自分が運営するWebにビットコインのマイニングを閲覧者のPCで行うscriptを用意して、閲覧者に無断で、コインマイニングをしたことが違法かどうか争われた事件である。
地裁 無罪
高裁 有罪
最高裁 無罪
で決着した。
マイニングのソフトは、閲覧者の意思に反しているが、悪意はなく影響は軽微で、違法とするほどのものではない。
このコインマイニング技術は新しい技術で、当初は違法かどうかは不明で、設置側も実験的に、閲覧者のPCに大きな負担がない形で実施していた。また、ほとんど収益が出ないために、短期で、実験を停止した。
警察は、これを不正プログラムとして立件し裁判となった。
(不正アクセス禁止関連法律は、もともとは抑制的に使うように作られているのだが。)
特に、閲覧者に無断で実行した点が問題にされた。
しかし、うっとうしい動画広告とどう違うのかという反論となった。
ここで、重要だったのは、被告となった人物が、立件されたことに疑問を感じて、ITの専門家に相談し、これを契機に、日本でもトップクラスのIT研究者、ITエンジニア、ITに詳しい法律家や弁護士を巻き込んで、支援体制や、寄付金による裁判費用の援助活動が立ち上がった。
この件を契機に、日本ハッカー協会の中に支援の仕組みが作られて、IT関連冤罪事件の裁判の支援を行うようになった。
エンジニアの活動の法的な安全性やプライドに関る問題なので、事件が起こると、意外なほど簡単に支援金が集まる。
この訴訟の有罪が確定すると、新しく開発されたIT技術が、専門家の判断無しに、警察/検察が気に入らないものは有罪ということが可能になるので、ITエンジニアにとっては大問題になった。
地裁は、無罪としたが、検察はこれを不服として、控訴し高裁では有罪となり、被告側が控訴して最高裁で無罪となった。
これにより、本来は警察や検察が最も味方につけるべきITエンジニアのかなりの部分を敵に回してしまったように見える。
たぶん、裁判所の裁判官のIT関連知識と判断力が現実に追いついていないことが、根本的な問題点である。裁判所にIT事件に対するまともな判断力があれば、トンチンカンな告訴や令状請求が来ても、裁判所のレベルで止められる。
問題点は、警察、検察のIT関連知識のレベルが低いこと。(優秀なところもある)
高齢の裁判官では、IT関連の事件の判断には無理があること。
検察がIT関連の専門家の意見を無視、または敵視して裁判を強行したこと。
等があげられる。最高裁でまともな判決が下され、誤った判例が残らなかったことは非常に重要。(過去に、いくつか首をかしげるような判例が残ってしまっている)
被告となった人物は、無罪となったが、IT関連の知識が乏しく、人脈もない何人か人間は、同様の案件で強引な取調べで罰金や有罪にされた例があるらしい。
PCR検査について、2020年ころに、PCR検査を拡充する必要はないと喧伝された。
最近になって、裏話を聞くと、検査体制が不十分なことを隠して、重症者の検査を行いたかったらしいことが漏れてきている。
多くの専門家が、検査の拡充を主張したし、検査有害論は駆逐された。
それにしても、トップが検査の拡充を号令しても、いまだに拡充は進まない。誰かがサボタージュしているように見える。
オミクロンで感染者数が増えてきたため、弱年層で軽症または無症状の場合は検査しない方針が検討されている。準備期間は1年以上有ったにもかかわらず、50万件にも満たない検査能力しか整備されていない。
感染爆発だと大騒ぎしているのに 検査件数 2022/1/19: 221,682件 たったこれだけ?
たぶん、おかしいと思ったことは、上記の裁判の例のように、あきらめずに、訴え続けることが重要なのではないだろうか。
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