第160話 妄想 日本のワクチンの効果

 日本では長期間連続で大量接種を続けた。


 1日100万人の中には、不顕性感染の人が、ある程度混ざっていた。


 不顕性感染の人にワクチンを接種すると、少なくとも、ウイルスの増殖を抑える方向に働くと予想される。


 これによって、社会の中で蓄積されていく不顕性感染者の増加が抑えられ、場合によっては減少していった可能性がある。


 特に、連続して接種を続けたことにより、不顕性感染者からの他への感染が、かなり抑えられた可能性がある。


 1日100万人の割合で感受性人口Sの数が減る効果と、未発見の感染者Iが接種によって、感染力を弱められることにより 感受性人口Sと感染者Iの積に係数をかけた-β・S・Iは小さくなりさらに、接種によりSは1日100万人ずつ減っていく。


 もし、感染で感受性人口を減らして免疫をつけようとすると大惨事になるが、ワクチンで感受性人口を1日100万人減らし、さらに、その中にまぎれている不顕性感染者の感染力も抑えられれば、感染の拡大も抑えられ、非感受性人口(免役を持った人口)を安全に増加させられる。


 1日100万人にPCR検査をして、不顕性感染者をあぶりだして隔離しようとすると、費用もかかり、反対者も多い。これに対して、ワクチンの連続大量接種は、不顕性感染者の感染力を少しは低下させ、さらに免疫もつけるという効果がある。しかも、ほとんど見逃しがない。


 接種率が高くても、不顕性感染者が多いと感染は広がり、不顕性感染者の数が少なくなると、感染が終息するような、モデルになっているのではないだろうか。


 未隔離の不顕性感染者/感受性人口 に拡大か収束を決める閾値が存在するような気がする。

 これに加えて、感染が収束しても、マスクをすぐには取らない効果もかなり大きいと考えられる。


 水際対策が緩和されるが、入国から、検体の全ゲノム解析をして、変異株を検出するまでの時間が長いので、たぶん見逃しが起こって侵入を許してしまうだろう。

 デルタ株の場合、日本中に広げたのはたった一人の患者が元になっていたという報告がある。

 新しい変異株が、現在のワクチンの効果から逃避していると、また一から感染対策をはじめることになる。 新型に対応したmRNAワクチンの開発、治験、製造、接種。

 超特急で進めても、半年はかかる。 

 これを凌ぐには、経口治療薬の普及が必須となる。



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