第108話 大量検査

 COVID-19では無症状の感染者が感染を拡大するとう非常にやっかいな性質を持っている。 感染拡大を抑制するには、感染源になる無症状の感染者を見つけ出して、隔離することが重要になる。

 検査を抑制するために、「屁理屈」が色々流布されたが、有害でしかない。コストを減らしたいのか、医療関係者の負荷を減らしたいのか、思惑は色々考えられるが、原理原則に従えば、ワクチンが広範囲に接種されるまでは、感染者を見つけ出して隔離する以外に有効な方法はない。SIRモデルでも、検査で積極的に無症状感染者を見つけて隔離する項を付加すれば、感染拡大は大幅に抑制されることがわかる。

 PCRも抗原検査もかなり普及して安価になってきている。検査のコストはロックダウンの経済的影響に比べれば、はるかに安い。

 検査を抑制してきた組織にとっては、大量検査を認めることは、従来の施策の誤りを認めることになり、たぶん耐え難い。これが「無謬性の罠」である。対照的に検査を徹底して、無症状の濃厚接触者まで検査を徹底して、感染拡大を抑えている自治体も存在する。


 検査希望の需要に応える安価な検査も民間で始まっている。

 木下工務店系

 ソフトバンク系

 ダナフォーム系

 PCR検査装置を独自に導入したクリニックもある。

 病院も、院内感染を防ぐために、発熱患者の受け入れの前にPCRを行っている。


 牧野先生が試算を行っている。

 大量検査の感染抑制効果(2020/12/31 2021/1/1 ちょっと追記)

 jun-makino.sakuraweb.com/articles/corona/note009.html#rdocsect17


 日本医師会 COVID-19有識者会議

 感染症数理モデルとCOVID-19

 稲葉 寿 東京大学大学院数理科学研究科 教授

 www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/3925


 は、数理モデルと大量検査の有効性について解説している。


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