第69話 2000年問題の思い出

 2000年問題とは、西暦のデータを下2桁だけで扱うソフトが多数あって、2000年になったときに1900年として処理するためにエラーや不整合が起こる可能性があったため、これをIT業界が全力で改修した事件である。


 1970年代にソフトをを開発した人たちは、まさか30年先まで同じソフトが使われるとは思っていなかったのかもしれない。


 2000年の約2年前から膨大な工数をかけてエラーの起こりそうな部分を洗い出し、改修が行われた。


 詳細は ウィキペディアで「2000年問題」を参照されたい


 私も1999年年末から2000年元日は、勤務先にいて、異常が起きないか監視していた。


 ITエンジニアの多大な努力で、2000年を越えて、いくつかの小さな障害は起こったものの、大きな事故は起こらなかった。

 この後、事情を知らない素人さんたちが「2000年問題なんて、たいしたことなかった」とか「大騒ぎしすぎだった」とか「工数の無駄使いだった」とか、勝手な評論を書き散らした。

 当時はSNSがなかったので、それほど問題にはならなかった。


 今回の非常事態宣言と営業自粛要請についても、「非常事態宣言や自粛は必要なかった」、「経済的に大被害を与えたのはけしからん」という評論家や事象専門家や一家言のある自称論客が騒いでいる。2000年問題改修後の騒ぎを思い出させる。


 高校の数学でもシミュレーションできる予想を、確認もせず、計算もせず、その場の勢いでつぶやいているアカウントが多数いる。まったくの素人さんはしょうがないとして、専門家を自称するなら、確認、検証してから発言すべきであろう。


 危機対応は、少しやりすぎくらいが適当で、空振りも許容する必要が理解されていない。


 経済の専門家なら、感染症の専門家と同じように経済モデルを構築して、感染による人的、経済的被害及び経済的困窮による自殺と政府の支出の最適点をモデルを構築して算出してもらいたい。


 本当の専門家は、以下のような分析や提言を行っている。


 費用便益分析

 パンデミック:時間軸と不確実性

 www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0576.html


 NRI トップ 新型コロナウイルス対策緊急提言 新型コロナウイルス経済ショックのマクロ的位置づけ(3)”Social


 Distancing”の経済的価値

 www.nri.com/jp/keyword/proposal/20200417

 www.nri.com/jp/keyword/proposal


 1人の命は地球より重いと言った政治家がいたが、これに従うと、70億個以上の地球が必要になるので現実的ではない。人命を費用便益分析するのは言語道断という意見も有るが...... 

 私は、1つ1つの命は30億年継続した化学反応の最後尾という奇跡的な存在だとは思っている。


 ばかばかしい計算をまじめにしてみると

  地球の質量 5.972 × 10^24 kg

  太陽の質量 1.989 × 10^30 kg

  70億個の地球の質量を太陽の質量で割ると約21000となる。

 

ブラックホールの質量は約太陽の30倍以上といわれているので、地球を70億個集めるとブラックホールになってしまうかも(爆)

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