設定集 魔物


※各記述は第二部開始時点のものを含みます。ネタバレにご注意ください。



恐狼テラーウルフ


 ヌーナ大陸の平原に生息する魔物。狼がマイナの影響を受けて変異したもの。

 樹幹を食い千切る咬合力こうごうりょくに加え、唾液に毒素を含むために噛まれると致命傷になり兼ねない。

 簡易な社会性のある群れを形成し、少数で斥候した後は大群で根こそぎ殺戮するという習性を持つ。ツキノア領の村を襲おうとしたが、ミストリアの鎌柄太刀ウィンド・ブレードにより群れごと真っ二つにされた。



食屍鬼グール


 ヌーナ大陸の伝承にある魔物。死体が何らかの理由により蘇り、人を襲って肉を食らうとされている。帰参者レブナントとも呼ばれている。

 ツキノア領の山奥の小村で発生した疫病を調査していたレイネリアたちが遭遇、交戦状態となった。

 何者かによる反魂はんごんもどきの魔法で村人たちが変異したもので、記憶や自我の有無には個体差があるが、共通して自分たちに危害を加える者を捕えようとする。

 同時に外見を誤魔化す幻術も掛けられていたが、術者が去った後は徐々に消失を初めており、また儀式を執行した村の教会から離れると効力が弱まっていく。

 村に残る断片的な記録や思念を拾い紡いだミストリアにより、全員の名前と記憶を呼び起こされて解法かいほうされた。

 名称はアラブの伝承にある怪物「グール」より。また、レブナントはフランス語の「revenirルブニール(戻ってくる)」の名詞形。ファンタジー作品ではよく敵として登場する。



丸太兎ファッティラビット


 ヌーナ大陸の山間部に生息する魔物。兎がマイナの影響を受けて変異したもの。

 毛塊けだまと思しき長い毛と丸々と太った体躯が特徴的で、前方に向けて見境なく突進するという習性を持つ。近縁種の亀毛兎角ジャッカロープと異なり角はない。

 可食部が豊富で野性味に溢れた肉質を持ち、また毛皮も高級品として珍重されるため、狩人たちに人気の獲物である。

 レイネリアたちの前に白茶と灰茶のつがいで現れ、空属性の練習相手になりながら捕食者たちから救われた後、彼女の手によって野生へと返された。

 モチーフはアンゴラウサギより。また、亀毛兎角きもうとかくはこの世に有り得ないものの例えで、ジャッカロープはアメリカに生息するとされる未確認動物より。



魔猪マッスルボア


 ヌーナ大陸の平原に生息する魔物。猪がマイナの影響を受けて変異したもの。

 鋭い牙を持ち、あちこちを掘り返して農作物を荒らしたり、人に向けて突進して殺傷したりするために恐れられている。

 ラーマとシータの連携により狩られ、レイネリア一行のかてとなった。肉質は引き締まって硬く、そのまま焼くか燻製などの保存食にされており、また骨や皮なども加工品として利用されている。

 名称は魔猪まちょとマッチョのダブル・ミーニング。



狂躁熊クルーエルベア


 ヌーナ大陸の山間部に生息する魔物。熊がマイナの影響を受けて変異したもの。

 レイネリアの倍以上の体高と墨色の体毛を持ち、鋭利な鉤爪と刃のような歯牙は狩人さえも葬るとされており、ルンビニ一帯の山々の食物連鎖の頂点として君臨していた。

 満身創痍のレイネリア、ラーマ、シータ、丸太兎ファッティラビットの前に現れ、漁夫の利として雄叫びを上げながら喰い殺そうとするが、感情が高ぶり好戦的となった彼女の五蘊皆空ダスト・トゥ・ダストによって絶命した。

 ラーマたちの獲物の代わりとしてルンビニに献上され、胆嚢たんのうは万病の薬として天人地姫への寄進物とされた。

 名称は狂えると英語の「cruelクルーエル(残酷な)」のダブル・ミーニング。



★サンドワーム


 シュンプ平野の主である伝説的な魔物。古代の大型爬虫類がマイナの影響を受けて変異し、現代まで生き残ったもの。

 普段は地中に潜って姿を見せないが、時折地表に現れては荒野に棲む魔物などを捕食している。約二十年に一度、地表での活動を活発化させると言われている。

 外見は蛇のようであるが、体高は大型馬車よりも高く、体長に至ってはゆうに十倍以上ある。表面は黄土色を基調とした硬い鱗で覆われており、顔の付近には岩のような外骨格が発達している。

 百年ほど前、旅人や商隊などを襲って甚大な被害をもたらしていたため、当時の御幸においてミストリアによって討伐された。死の間際に卵を生んでおり、その子は彼女の手で人を襲わないように躾けられながら育てられた。

 なお、周期的に活動を活発化させるのはミストリアに会うためであり、彼女が同一人物であることに本能的に気付いている。

 モチーフはヨーロッパの伝承にあるドラゴン「ワーム」より。ファンタジー作品ではよく敵として登場する。

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