9.ハールの人々

●ホムラ

 年齢:55歳(1964年生まれ)

 登場作品:③,④,⑥,⑧

 キャッチフレーズ:「ザ・豪快」

 ジョブ:モンク

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:ハールの前領主の次男。


 ソータの親友とも呼べる男、ホムラです。身長は198cmとかなり大柄で、金髪。真っ黒に日焼けした、まさに「海の男」です。

 水那のことを「嬢ちゃん」と言ってますが、多分「ミズナ」と呼び捨てていいのか迷った結果、何となく響きのよかった「嬢ちゃん」になったのだと思われます。


 ハールは漁の国ですから、ホムラのキャラクターはすぐに決まりました。

 ここは素直に熱い人の方がわかりやすいし、その後の役回りとか考えると、あんまり細かいことを考えるタイプではなく「いい、と思ったことを次々やっていけばどうにかなるもんだ!」というキャラの方が面白そうだったんですね。


 彼の領土はハールの一番南で、ヤハトラ、およびデーフィと接した場所にあります。

 ですので、デーフィとの資源のやり取りは彼が元々担当していたので、デーフィの領主であるダンさんとも顔見知りだったのです。

 セッカとは、彼女がまだ8歳ぐらいの頃(ホムラは17歳で、ちょうど家から独立したときだった)に一度会っています。そのときからセッカは元気で明るくて、落ち着いた物腰のダンさんと全然似ていなかったのでホムラの印象に残っていたようです。

 そんなセッカが、ナイスバディの明るくて元気なとびきりイイ女(←ホムラ談)になって現れたので、ホムラは「おお?」と思ったとか……。


 その後は、自分の村で世話を焼く様子や、戦争の準備であちこち飛び回っても嫌な顔一つしないセッカにベタ惚れになり、ずっと口説いていました。

 口説くって言っても、アレです。ホムラはまどろっこしいことはしませんから


「セッカ、ハールの内乱が終わったら結婚しよう」

「は!?」

「聞こえなかったか? 結婚……」

「聞こえてる! だから、何で急に結婚!?」

「惚れたから」

「バッ……バッカじゃないの!? 無理!」


……みたいなたわいないやり取りを繰り返していたものと思われます(笑)。



●レッカ

 年齢:60歳(1959年生まれ)

 登場作品:③,④

 キャッチフレーズ:「知性派大将」

 ジョブ:軍師

 FP:2500

 習得技能:★障壁シールドLevel.4

 固有技能:なし

 特記事項:ハールの現在の領主。ホムラの兄。


 落ち着いた物腰のお兄さん。数少ない「外の世界にいるフェルティガエ」です。

 彼のフェルティガの発現は34歳と非常に遅かったです。両親、祖父母はフェルティガエではないですから、先祖返りのような形で発現しました。

 ジャスラはもともと発現年齢はフィラより遅く、十二歳前後が多いのですが、その中でも飛び抜けて彼は遅いです。


 これは、トーマのように力が弱かったから、ではなく、むしろ強かったためです。

 レッカは記憶にないようですが、実は十二歳頃に発現の兆候が見られたのです。しかし、その頃からジャスラでは闇が蔓延しつつあったため、本人の自衛本能が働き、無意識に封じ込めてしまったんです。

 しかし二十年以上経ち、いよいよ闇は濃くなり――今度は「自分の身を守るために」フェルティガが発現、障壁シールドを発動しました。こうして彼は地下に潜ることになった訳です。


 ネイアとはその頃から親交があり、フェルティガの指導なども受けました。

 ネイアとしては、十代目ヒコヤであるソータがもうすぐ来ることはわかっていたため、匿っている水那のことも考えると、レッカに繋ぎを取ることは重要だったんですね。


 さて……登場時は三十過ぎだったレッカも、もう還暦です。エンカに跡を……いや、それはちょっと難しいか。

 ホムラの息子もまだ若いですし……多分、もうしばらくは領主を続けるのではないかと思います。



●エンカ

 年齢:40歳(1979年生まれ)

 登場作品:③~⑤,⑧

 キャッチフレーズ:ワンコ系男子

 ジョブ:なし

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:レッカの息子。次のハールの領主……のはずですが……。


 「少女の味方」ではなかなかのチャラ男でしたが、人懐っこくどんな話も楽しそうに聞いてくれるので、かなり女の子にはモテたでしょうね。

 外の世界に不慣れなレジェルとミジェルの面倒を見ていましたが、やがて「嫁さんにはレジェルがいい」と思うようになり、女遊びを卒業。数年がかりでレジェルを口説き、どうにか結婚に漕ぎつけました。


 ただ、いわゆる「昔の女」がハールのあちこちにいる状態ですからね。レジェルは結構ヤキモチ焼きなので、何かあるごとにムッとしていますが、そのたびにエンカが

「昔の話だよ~。もうレジェルしか要らないし。レジェルを愛してるから」

と臆面もなく言ってのけて彼女を赤面させる、という茶番を繰り広げています。

 夫婦仲は良好です。勿論、かかあ天下です。



●キラミ

 年齢:60歳(1959年生まれ)

 登場作品:③,④

 キャッチフレーズ:なし

 ジョブ:なし

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:レッカの妻


 物腰が優雅な奥さんです。しかし息子のエンカについては悪いことをすると鉄拳制裁です。多分、怒らせたら怖い人なんだと思います。

 料理、裁縫などすべてそつなくこなし、気遣いもできる素敵な奥さん、というイメージです。

 水那、それからレジェルとミジェルの姉妹にも自分の娘のように接してくれました。



●レジェル

 年齢:31歳(1988年生まれ)

 登場作品:④,⑤,⑧

 キャッチフレーズ:「頑固で生真面目な優等生」

 ジョブ:幻術士

 FP:2300

 習得技能:★幻覚Level.3

 固有技能:★浄化

 特記事項:ヤハトラの巫女と九代目ヒコヤの子孫


 筋を通したがる、頭の固い女の子です。今までは、割とみんなソータに快く協力してくれる人達ばっかりだったので、ちょっとソータに反抗する人も欲しいな、ということで、この頑固で生真面目なレジェルというキャラができました。


 『少女の味方』においてはソータに反発する役割だった訳ですが、この時点では「見た目は幼いけどしっかりした子」ぐらいしか考えてなかったはずなんですけどね。どうしてこうなったんだっけな……。


 ああ、そうそう、エンカとくっつけようとしたんだけど、生真面目なレジェルが「あんな浮ついた人、嫌です!」と顔を真っ赤にして反発したので、あんな感じになったのでした。そうでした。


 実際、「ジャスラの涙をヒコヤに返す」という使命のために代々血を繋げてきた訳ですから、その役目が終わった以上「この禁忌の血筋は絶やすべき」とレジェルなら考えそうだな、と思ったんですよね。

 そんな頑ななレジェルを解きほぐすとしたら、呑気で大らかなエンカぐらいだろうな、と思いました。

 エンカは領主になる気はないですから、この家は今後、ハールの領主を支えるフェルティガエの家という位置づけでいくのかな、と思います。レジェルは娘の教育もしっかりとしてそうですから、きっちりとお役目をこなしていきそうです。



●ミジェル

 年齢:18歳(2000年生まれ)

 登場作品:④,⑧

 キャッチフレーズ:「小動物的可愛さ」

 ジョブ:吟遊詩人

 FP:3500

 習得技能:★衝撃波(声)

 固有技能:★子守歌,★嘆きの歌

 特記事項:ヤハトラの巫女と九代目ヒコヤの子孫。レジェルの妹。


 登場人物の中で一番小柄(想定では135cmぐらい)ですが、実は元気いっぱいの女の子、ミジェルです。

 元々は攻撃系のフェルティガエですから、素直ですしね。次子にも関わらずFPが姉より高いですが、これはルフトの闇に干渉を受けた結果です。


 ハールの豊かな自然の中で素直にすくすくと成長していたのですが、ある日突然フェルティガが発現、意図せず人を傷つけてしまいます。

 それにショックを受けたミジェルはあんなに好きだった外に出ることもなく、全く笑うこともなく、じっと自分の殻に閉じこもってしまいました。


 自分の血筋がこのジャスラで異端である、ということは姉に聞いて知っていました。でもそれがこんな形で現れるとは思ってもみなかったんですね。

 彼女にとって、暁とシャロットは突然現れたヒーローみたいなもので、二人の微妙な関係にもいち早く気づきました。

 救ってくれた暁には心惹かれたけれど、ミュービュリのことはイマイチわからずとも、直感的に「私とは住む世界が違う人だ」と感じたんですね。

 そしてシャロットのことは「その世界の違いすらも乗り越えて駆け抜けていける人」と感じ、二人を応援することにした訳です。


 ミジェルはこの後、ウルスラに留学します。芸術系が一番栄えているのはウルスラで、楽器や歌など、音楽の文化が残っていますから、それを学ぶためです。

 そして朝日が考えたように、シャロットプロデュースの元、パラリュスの歌姫として各国を渡っていくのだと思います。



●カガリ

 享年:25歳(1971年-1994年)

 登場作品:③

 キャッチフレーズ:「ナルシストな独裁者」

 ジョブ:なし

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:ホムラの弟。三男。


 ハールの次の領主になろうと画策した、ちょっとねじ曲がった人です。長男のレッカも嫌いでしたが、何より人望のあるホムラを敵対視していました。

 レッカと敵対するとしたら武器もいるし人手もいる、と考えた彼は、ラティブで積極的に情報収集していました。そして偶然、アズマとシズルを保護。錯乱していた二人がフェルティガエであることを見抜いた彼は、自分の屋敷に招き、手厚く看護し、徐々に支配していきました。

 後は……「漆黒の昔方むかしべ」で述べたとおりですね。



●アブル

 享年:21歳(1974年-1995年)

 登場作品:③

 キャッチフレーズ:「かなり卑屈なスネ夫」

 ジョブ:なし

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:ホムラの弟。四男。


 三男カガリの手下となり狼藉を働いていた男です。闇にとり憑かれ、完全に侵食されていました。ソータが闇を抜いた後も自我は戻らず(ギャレットとほぼ同じ状態)、一年後に死亡。



●ジン

 年齢:49歳(1970年生まれ)

 登場作品:③

 キャッチフレーズ:なし

 ジョブ:なし

 FP:なし

 習得技能:なし

 固有技能:なし

 特記事項:ホムラの手下。アブルの闇にとり憑かれた。


 闇にとり憑かれアブル側のスパイとなっていた彼ですが、完全に侵食されてはいませんでした。水那が彼の身体から闇を追い出したので、ギリギリ自我も残されました。

 完全な社会復帰までは一年ぐらいかかりましたが、どうにか元に戻りました。こんなことをしでかしてしまってはホムラの元にはいられない、と村を出ようとしましたが、ホムラの説得により残留。

 もともとホムラの右腕として働いていただけあって、賢く、人望もありました。今では、ホムラの次男、カイの教育係として日々勤しんでいます。

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