ヒロインをメッチャ押す悪役令嬢
isidaiori
朝
ここは王国学園、貴族の子女が集う学び舎である
そこに見目麗しい王子が登校してくる。
みんな、横にそれて頭を下げる
そこに一人の女性が
「王子様あー、私、転校して間もないので、学園を案内してクダサーイ」
そう言って王子の腕を掴む
「え?」と驚く王子。
普段からそんなことをする学生はいない
と
「それはよろしゅうございますね。殿下、せっかくですので学園を案内してさしあげてください」
と、後ろから風になびく金髪縦ロールのナイスボディでものすごい美女が
「え、転校生の態度は王子に無礼なんでは?」
と、誰かがいうと
「何をおっしゃる、ではあなたは生まれたときから貴族の礼ができましたか?そうでしょう、王子ならそこを含めて、転校生令嬢に丁寧に教えてくださるでしょう」
としてヒロインちゃんには
「あなた頑張ってね、王子は駅前の屋台の串焼きがお好きですので、散歩のときにはそれを買って差し上げるとよろしくてよ」
と。
「申し遅れました。私、悪役令嬢の某公爵令嬢でございます。どうぞよろしく」
見事に頭を下げる悪役令嬢
「あ、私、ヒロインちゃんって言います。よろしくです。」
「再婚された子爵様のご令嬢ですね。貴女の事を妾の子と呼ぶ人がいるでしょうが、貴女の血は国王がお認めになったのです自分に自信を持ってください」
「ちょっと、公爵令嬢、あなたは私の婚約者ではなかったか?」
王子がいうと
令嬢は髪の毛をなびかせ
「それは学校の外、卒業してからのこと。別に学園で子作りしたり、外交官を迎えたり、軍の閲兵をしたりするわけじゃあありませんわ。王子、学校で、私が生徒会長として他校の男子学生の方と打ち合わせをしてるときに後ろで江戸の鳶職みたいに貧乏ゆすりをするのをおやめくださいませ」
顔をしかめる王子、後ろでくすくす笑う声が
「そーやー、お前ってそ~いうこと言う奴やったー」
王子がキレた。
「何言ってんです。私と婚約したからこそ、私に抱きついて腰を押し付けて後ろから胸触っても父公爵も何も言わないんですのよ。もっと、女性に優しくすることを学習なさいませ」
みんな笑い転げている
公爵令嬢は続ける
「知ってますのよ、あなた、侍女に手ぇ出してらっしゃいますの、それも12歳とか13歳とか、新人侍女に手ぇ出してらっしゃいますの、私やベテランメイドといった胸の大きいナイスボディの女性には手を出されないのね」
「うわ」
「キモ」
「引くわ」
「ロリコンかよ」
「おまわりさんこっちです」
という声が聞こえる
悪役令嬢はヒロインちゃんの手を掴み
「あなた、頑張ってね。この学園は平等と自由がモットーですから、成績が良くて人望が高いと平民でも生徒会長になれるのです。あなたには、期待してますわよ」
「は?はあ?・・・イジメられるってきいてたのに、こんなに親切にしてもらえるなんて・・・」
あまりのことにヒロインちゃんも声が出ない
「あの?あなたは悪役令嬢なのでしょう。だったら、なぜわたしに、親切にするのですか?」
ヒロインが聞くと、悪役令嬢は、胸を張って
「私は、ヒロインに対して悪役なのではなく、王子やそういう権力に対して悪役なのですわ」
ドドーン
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