side Yuji-2

 帰り道で僕の携帯はメールを受け取る。

 その場に綾と彰吾もいて、カバンに入れていた携帯を綾に取り上げられた。


「祐二、あんた土曜は予定ある?」


 内容を目で追った後、綾が僕に尋ねる。

 特に予定がないことを言うと突然僕に耳打ちしてきた。


「……秋山瞳があたしたち三人でどこかへ出かけようって、誘ってきたの」

「えぇっ! 秋山さんが――!?」


 驚きを大声で上げていた途中、綾に口を両手で塞がれた。


「もが、もが……!」

「お前ら何やってんだ?」


 彰吾が何があったのかわからず唖然としていた、再び綾の耳打ちが始まる。


「……バカ、松崎にバレたらどうすんのよ」


 言われて我に返った、塞がれていた僕の口は再び開かれる。


「土曜日、祐二とどっか行こうって話に今なったの!」

「へぇ、じゃあ今来たメール何?」

「別に。迷惑メールじゃない?」


 綾が適当にごまかすと彰吾もすぐに納得する。

 こうして僕と綾、秋山さんの三人で土曜に出かけることが決まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る