Foolish Wars

書い人(かいと)/kait39

序文(プロローグ)

 その星は、高度に発達した文明を、まるでゲームのように『戦争』という名の破壊と殺戮さつりくに費やしていた。

 露骨ろこつな戦争という形で、不毛な争いが起こってからすでに一〇〇年が経過していた。

 とうに代替わりを果たしたというのに、何割かの人類は惰性だせいで、また何割かは軍需産業ぐんじゅさんぎょうの維持のために、さらにまた何割かは各国のかかげる大義ために動いていた。

 人工知能による自律または遠隔操縦兵器が戦争の拡大を産み、また加速と停滞的な長引く戦争をもたらした。

 油田などの各種採掘場が真っ先に戦場となり、その後は兵器を確保するための軍事施設を狙って戦争をする、などといった本末転倒な有様だ。

 ちまちま、という表現が一番しっくりくるだろう。半端な局地戦が、各国と各国の支配圏で延々と続いていた。

 さすがにうんざりした各国はさまざまな、ユニークな科学・軍事技術、兵法などで『世界征服』を企んだ。

 これは、そんな『うんざり戦争』の記録である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る