Foolish Wars

書い人(かいと)@三〇年寝太郎

序文(プロローグ)

 その星は、高度に発達した文明を、まるでゲームのように『戦争』という名の破壊と殺戮さつりくに費やしていた。

 露骨ろこつな戦争という形で、不毛な争いが起こってからすでに一〇〇年が経過していた。

 とうに代替わりを果たしたというのに、何割かの人類は惰性だせいで、また何割かは軍需産業ぐんじゅさんぎょうの維持のために、さらにまた何割かは各国のかかげる大義ために動いていた。

 人工知能による自律または遠隔操縦兵器が戦争の拡大を産み、また加速と停滞的な長引く戦争をもたらした。

 油田などの各種採掘場が真っ先に戦場となり、その後は兵器を確保するための軍事施設を狙って戦争をする、などといった本末転倒な有様だ。

 ちまちま、という表現が一番しっくりくるだろう。半端な局地戦が、各国と各国の支配圏で延々と続いていた。

 さすがにうんざりした各国はさまざまな、ユニークな科学・軍事技術、兵法などで『世界征服』を企んだ。

 これは、そんな『うんざり戦争』の記録である。

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