甘くないミルクティ

 あなたが入れてくれるミルクティーは

いつも砂糖が足りない

「ストレートは苦手なの」と言えれば

気が済むのだろうけど

それは言わない

めんどくさいから


 自分のことだけが全てではない

それなりの生活ができていれば

フレーバーもオプションもいらなくなった


 母が作ってくれたミルクティーは

いつもミルクが多い

「甘いのじゃなきゃだめなの」と言うことは

容易いのだろうけど

それも言わない

壊したくないから


 理想を形にすればいいってわけじゃない

確かな温もりを感じられているなら

なめあうことも探り合うこともしなくてよくなった


 甘くないミルクティーにも

もう慣れた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る