第193話 ダンタリオン3
4体の黒竜が四方に現れ、謁見の間は混乱していた。
俺は時を止めた。
ダンタリオンは王座から立ち上がり、竜達に気をとられた隙に逃げ出そうとしていた様で、足下に魔法陣が浮かび、膝から下が薄らと消え始めていた。
俺は聖剣をアイテムボックスから出して、先ず黒竜に向かった。
聖剣を上段に構えて、黒竜を唐竹割に真っ二つに……。
斬ろうとしたが擦り抜けた。
ん? 黒竜は幻影かぁ。
俺はダンタリオンがいる王座に登った。
鑑定でダンタリオンを調べると、悪魔の核は心臓辺りにあった。
聖剣を八双に構えると、核を斬る軌道で、肩から腰にかけて袈裟斬りにした。核を切断し斜めに聖剣が通った後が赤い線になる。
俺は念の為、聖剣を構え直して、時を動かす。
ダンタリオンは目を見開き俺を認識し、斬られた事を悟った。
「ば、馬鹿な……、な、何故本体が分かった……?」
ダンタリオンの斜めにずれ落ちる上半身と立ったままの下半身。本も床に落ちた。
この本は何だ?
本を鑑定してみると……。
『魔王の本』と言う魔道具らしい。
鑑定結果の説明は知識と魔法の本。
取り敢えずアイテムボックスにしまった。
黒竜の幻影は消えていた。
俺は聖剣を掲げて、混乱した騎士達を眼下に見た。
「良く聞けぇ! 悪魔ダンタリオンは、この俺タクミが討ち取った!」
静まり返る謁見の間。
「国王キオーガは既に死んでいるが、王弟レクを俺が保護している。王弟レクを新王としてマヒロシ王国を再建するんだな」
大声で騎士達に宣言した。
「王弟レクがこの地に戻るまで、この都市を混乱から回復しておけぇ!」
俺はリン達に目配せすると、ジャイアントハーフの聖騎士リンを乗せたヒッポグリフと、ブラックジャガー獣人のノワを乗せたヒッポグリフ、俺が乗ってたヒッポグリフが王座に飛んで来た。
俺がヒッポグリフに乗ると、俺達を乗せた3頭のヒッポグリフは飛び立つ。
「リン、任せた!」
俺は謁見の間の、天井付近の窓を聖剣で指し示す。
「畏まりました」
リンが乗ったヒッポグリフが先頭を飛ぶ。
リンはヒッポグリフに跨がりながら、魔槍アムドゥスを構える。
リンが魔槍アムドゥスを突き出すと、天井付近の窓とその周りが大きく溶けて穴が空いた。
俺達はその穴を抜けて、城を飛び出し空中を飛んだ。
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新作投稿しました。
7/28 23:00に第1話をスタートしました。こちらもご愛読いただけたら嬉しいです。
タイトルは、
『モブキャラ異世界転生記~モブキャラに転生しちゃったけど従魔の力で何とかなりそうです~』
URLは
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917461172
です。
宜しくお願い致します。
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