ある朝


おれは歯ぐきから出血をした

そしてそのまま出血多量死へと向かっていた

まさかな

おれは半笑いで思った

この世界に神様がいて

そいつがきちんと役割を遂行してくれるのだと思い込んでいたのだ

だがこの世界に神様はいない

正確に言うと神様に首輪を付けて管理する人間がいるだけなのだ

おれは死にかけていて

そしてこれから死ぬのだそうだ

(そんなことってあるのか?)

おれの感想なんて誰も聞きたくないらしい

うんざりしたって真実だけはけして曲げられやしない

「何もかもが嫌になる」

それが最後の言葉になるならもう少しましな何かがあったかもしれない


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