手紙


白ヤギさんがいた

よく知らんけど

そいつが手紙を書いた

どうやって書いたのか知らんけど

黒ヤギさんは読まずに食べたらしい

事件だった

名探偵が身を乗り出して車に撥ねられて死んだ

よくわからんけど

白ヤギさんはこんなことを思っていたらしい

(黒ヤギさんさえいなければ自分はただのヤギなのに………)

って

自らの存在が黒ヤギさんという存在によって歪められていると感じていた

白ヤギさんはバタフライナイフを握り締め家を飛び出した

黒ヤギさんの家の戸を叩いた

黒ヤギさんが出て来た

「早かったですねえ、今夜は特別なディナーを用意してあなたをお待ちしておりました、白ヤギさんのソテーです」

そう言うと返答も待たずに手にしていた刃物を白ヤギさんの腹部に挿入した


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