第14話このままじゃ
このままじゃだめだよな「渡部」はそう思う
やっぱりこのままで終わるなんてことはできない
どこかで、関係を修復するしかない
では、どうやって?決まってるアレだ
このままじゃだめだよな、村風はそう思っている
倒すためにも、作業効率をよくするためにもこのままの関係じゃだめだ
もっと仲良くならないと
どうするあれだ
二人は、現代で顔を合わせる
「ケーキバイキング(渡部)」「牛丼(村風)「「喰いに行こうぜ」」
「「ん」」
ーー牛丼とケーキバイキング
さて、どちらを選ぶのか
また微妙な間
どちらも選べない二人、どちらからも話しかけられない
「ああ」
「んじゃまた」
(いや、待てこのまま引き下がれる絵わけねえだろー―こうなったら牛丼で)
渡部はくるりと踵を返す
(いやまだだ、このまま終われるか)
村風もくるりと踵を返す
「ケーキバイキング(村風)」「牛丼(渡部)「「喰いに行こうぜ」」
「「ん?」」
結局、牛丼になった
牛丼最近の牛丼はメニューが多い、多いからこそ悩みどころではある
何を選んだらいいのか、何を選ぶべきか
二人とも顔をぶるぶるふるわせるーー違う、違う、話はそうじゃない
そうじゃないだろ
(そもそも、この二人だと会話が続かないんだから、「椎葉」に間をとってもらうしかないんじゃねえの)
「ん、あれ椎葉は」
「ああ」
ーー昨日、珍しく外を出ていたから親切心を出して
恐怖映画に誘った村風
「こいつばかやろーーーー」
そう思ったが口には出さなかった渡部
とりあえず、牛丼は中止して「椎葉」の家に行くしかなくなった
「椎葉」
「、、、、、、、、、、、、、、」
「帰って」
「椎葉」
そんな返答が返ってくるんじゃないかと思っていたら
「椎葉」はやせこけていた
うわっ
見たことのある「餓鬼道」の光景
「渡部」にとってそれは「現実」に見たことのある光景だった
だから対処も早かった
「椎葉――村風、おかゆ、少量でいい作ってきてくれ」
ふつう痩せると聞くと、へこむイメージがある
違う、逆だ
ほんとうにくうもくえなくなると、
腹以外の部分はへこみ、腹だけはガスでふくらむ
そういうことになる
本当に、やせこけ、死にそうになるとそういうことになるのだ
「おい、しっかりしろ「椎葉」
おかゆを作るのにも時間がかかる
村風が懸命に作っているが、渡辺はおかしなことに気づく
どう考えても、おかしいのだ
「なんでだ、、、昨日映画に誘ったっていうなら、「村風」だってこれに気づくよな
まさか、村風もこれを見ていてーー栄華に誘うなんてことはしないはずだ
ああくそ、何があったんだよ――椎葉」
そうはいったところで、やせ衰えた上に,瞳孔がぼんやりしている「椎葉」がまともな反応をするわけもなく
「え、、、へ、、、、へ、、、あ、、、、、、、、、か、、、、、ちゃん、、、、、、かわ、、、い、、、、、い、、、、、、、ね、、、、、、、、、、、、、え」
とかつぶやくだけだ
「ダメだ、幻覚が見えてやがる」
嘘だろ、もうその段階かよ、そう考えるもしょうがないなとしかいうことはできない
死にかけると幻覚に幻聴がみえるなんてことはざらにある
とりあえず、一命をとりとめてから聞けばいいだろう
「おい、もうできたんじゃないか」
「ああ、出来てるけどーーどうしよう、はくんゃないか」
「ああ」
ーーーそうだ、吐くだろうな
でも、だかこそ
「おい村風、口でコメをすりつぶした後、お湯ごと口の中に
淹れろ、、、それでだいぶかわってくるはずだ」
ーーそうなのか
「わかった」
とりあえず、やってみる
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