第2章
04 同時に
とある子供は虐げられていた。
食べ物を与えてもらえずに、狭い押し入れに押し込められていた。
外に出る事は叶わない。
助けを求める事も、どうする事も出来ない状況だった。
そんな子供にも、義務でチップはつけられていた。
生まれた時には必ずつけられるそれは、どんな子供にも、例えば学校に行っていない子供でも、病院で生まれたならつけられていたのだった。
だからその子供は、ずっとそのチップが示す、少し先の未来を眺めていた。
安全確率を確かめては。
今日は大丈夫だと。
幸福確率を確かめては。
今日も辛いのだと。
それは安心と絶望を同時に与えるものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます