RPGライブラリ

月山 朗

著者:フランジャスからの挨拶

著:フランジャス


こんにちは。


 まず、本書を手に取って頂けたことを感謝致します。本当にありがとう!


 やはり本というのは誰かに読んでもらえなければ悲しいばかりだ。これを書いた者の一人としても読んでもらえるほうが嬉しい。(まあ読んで欲しがらない書き手もいるのだが、読み手のあなたが気にするところでもない)


 あなたはこの本をどこで手にしただろうか?


 王国の図書館だろうか。

 うらびれた宿屋の本棚で見つけたかな。

 魔導書の山の中、偶然にも発見しただろうか。


 どこであったとしてもあなたの手にこれがあることが僕は嬉しい。本の装丁はどうかな? この文章を書いている今、まだ本の外見までは決めていないんだ。上等な革張りであれば嬉しいけど、尻を拭くような雑な紙が束になっているだけかもしれない。……もしや今あなたは、お手洗いでこれに手を伸ばしていやしないだろうか。もし仮にそうだとしたら……いや、やめておこう。あまり想像しても仕方ないし、虚しくなるだけだね。


 そろそろこの本の中身にも触れておこうか。


 この本はハイドラル大陸についてのあらゆる事を記したものだ。


 歴史書であり、英雄譚であり、詩集であり、図鑑でもある。


 僕を含む十二人の書き手によって織りなされる本だ。

 知識や見方に偏りこそあるものの、豊かさにかけては他の書物の追随を許さぬ出来であることを保証する。


 さて、自己紹介もしておこう。


 僕の名前は「フランジャス」もちろん筆名だ。

 得意分野は英雄譚。

 このハイドラル大陸一の英雄譚収集愛好家といっても過言ではないだろう。


 僕は主に英雄譚ひとつだが、他の書き手は二つ三つと引き出しを持つ者も多い。


 例えば、植物、悲恋に限った恋物語、大陸の氷雪生物、煙草、情報魔術等、一人で五つを担当する者もいる。書き方も様々だ。一人称、三人称。物語仕立てもあるだろうし、熱のない事実だけを羅列する者もいるはずだ。


 それでは、前書きはこの程度にしておこう。

 他にもこうして挨拶をする書き手がいるかもしれないな。

 なにはともあれ、この本を楽しんで頂きたい。


 この一頁、この一文、この先すべての言の葉を、あなたに捧げます。


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