ヴァランちゃんの女子力


 さて、ホテルへと……午後4時にチェックインしました。

 ホテルは京都駅の前にあり、六階のフロアを全て貸し切っています。

 ここにある宴会場も、使わない宴会場も貸し切りです。


 つまりこの日の六階フロアは、従業員さんと聖ブリジッタ女子学園山陽校付属小学校の関係者以外は、シャットアウトなのです。


 部屋割りですが、ツインが23室、シングルが2室、ダブルが1室の50名分、問題はダブルの部屋、ダブルベットですから、誰も嫌がる訳です。

 勿論引率教師は無理ですからね、先生方はツインが4室、シングルが2室が割り振りとなります。


 そこでヴァランちゃんが、

「私は明子ちゃんとなら、別に構わないわよ、互いの家で寝泊まりしている仲だから」

 といったので、二人はタブルの部屋となっているのです。


 このホテルは、小学校の修学旅行のプランがあるのです。

 しかし夕食は、小学校修学旅行用のプランではなく、コース料理となっています。

 女子小学生ですが、聖ブリジッタ女子学園山陽校付属小学校ですからね、

 テーブルマナーの教育ということもあり、テーブルマナーの講習つきです。


 朝食は和食がチョイスされています。

 食事は同じく六階にあり、コース料理だと定員50名、よく考えられていますね。


「皆さん、部屋は六階です、エレベーターの前に○○先生がおられますので、指示に従ってください」

 他のお客様に迷惑をかけないように、食事で使わない宴会場も、この為に貸し切っているのです。

 

 ヴァランちゃん達も指定された宴会場に行くと、先生や生徒が集まっています。

 こまごまとして注意を受けた後、各自の部屋の鍵と、タワー展望の入場券を渡されました。

「まず荷物を部屋に置くように、タワーに行くならその後に行くようにね」


「食事は7時、制服着用ですよ、各自、身じまいをちゃんとするように、ディナーですからね」

「したがって、タワー見学の時間配分をよく考える事」


「食事時間に遅れる、身じまいが出来ていない」

「このような生徒は、食事抜きですからね、お腹減らして寝たくないでしょう?」


 その後、割り振りされた部屋に荷物を置きにいきますが、どの子もすぐにシャワーなど浴びて、髪など整えています。


 勿論ヴァランちゃんと明子ちゃんもですが、この二人は一緒にお風呂なんて入っています。

 小さい湯舟ですが、小学女子ですからね、なんとか入れるようです。

 湯船の中で、互いの背中を洗ったりしています。


 二人はタワーなど最初から無視、ながながとお風呂で互いの身体を洗い、互いの髪を洗い、念入りに身じまいをしました。


 ソックスやインナーを変え、スカートや服の着こなしに注意し、靴も磨いています。

 一応許容の範囲で化粧などしています。


 香水は不可ですが、シャンプーや石鹸は仕方ないので許可。

 マニキュアは不可ですが、爪磨きは身嗜みの範疇、ハンドクリームでピカピカです。

 その他、色々なノウハウを発揮しています。


 こうして二人は、ディナーの主役になったのです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る