第20話 第三章 知りたいとは思いませんか、文明がどこから来たのか。(1)
第三章 知りたいとは思いませんか、文明がどこから来たのか。
【同日 午後五時十五分 神保町】
夕方には金庫が設置されて、あちこち監視カメラだらけ、さらにはスーツ姿の陸軍の軍人が随所にみられるという物々しいキャンパスに変貌していた。
俺は受け取った粘土板他資料一式を金庫に納め、疲れたので早々に退出した。
いつもの帰路で、白山通りを歩く。
今日一日いろいろあり過ぎて頭も混乱していたが、唯一、降って湧いたような十万ドルは正直めちゃくちゃうれしかった。
なんたって人生でそんな大金、触ったこともないし、見たことも無い。
まあ、普通の人生ならそりゃそうだろう。
しかもアメリカ時代はともかく、帰国後の今の職に就いてから生活はかなり厳しく、給料日の前などは、食費も切り詰めている有様だ。
神保町の行きつけのスーパーに寄り、今日はちょっといい食材を買おうと思った。
しかし、たしかにうれしいことはうれしいのだが、浮かれてばかりもいられない。
何を根拠にボストン大が俺のことを指名したのかさっぱりわからないが、いくら調査結果は不問といっても解読出来なければ、さすがにマズイだろう。
そうなったら、身柄を拘束される前に十万ドルを返して許しを請うしかない。
そんなことを気にしながら買い物を済ませ、角を曲がったところで、驚いて立ち止まってしまった。
すぐそばに少女が立っている。
もしかして・・・先日遭遇した、あの美少女だ!
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