第9話 脇毛

私の透明な物差しは一体どこへ?

乳毛を測るためのプラスチックの透明な物差しが見当たらないのです。

あれでないと0の位置が少し上にズレていてきちんと乳毛の長さが測れません。


仕方ないので0の位置がズレていない竹製の30センチ物差しを持ってお風呂に入りましたよ。

そして測りました。後でご報告いたしますね。



ところで脇毛って迷惑ですよね。どのムダ毛も迷惑ですが、脇毛ほど無駄に多く長く処理が面倒な毛はないです。と言ってもわざわざ人に見せる場所ではないので放置しがちです。

特に年取るとね。


若い頃は(中学生くらいから結婚するくらいまで)抜くのに夢中になっていました。ベッドに寝転がって毛抜きで1本1本プチプチと抜いていきます。夏だけだったかな。

結構これが楽しかったんです。

毎日毎日生えては抜き生えては抜き、今思えばものすごい時間の無駄だと思います。


今のバーバラは夏にも脇毛が見えない服ばかり選んで着ていて、いつもボーボーですよ。


そういえば脇毛の存在を忘れていてコンクール当日に肘に生えていた毛のことばかり考えて前日にお風呂で脇毛を剃るのを忘れていました。


当日出掛ける1時間前にドレスの試着をしてみたら、「あらら脇毛ちゃんがボーボーだわ。」と気が付いてドレスを着たまま剃刀で脇毛を剃りましたよ。少し血が‥。


ほんと、永久脱毛に行きたいです。

コンクールへのチャレンジをやめたらお金が随分と浮くので行けるんですが、そうしたらまた、ピアノの弾き方を忘れそうです。


いっそ脇毛ボーボーでコンクールに挑んでピアノよりも脇毛に注目してもらって審査員にドキドキしてもらうというのも面白いかもしれません。


乳毛に戻ります。

竹製の30cm物差しで測りました。

1番長いのはあまり伸びてなくて2.6㎝、針ちゃんは2㎝、どちらも 3ミリくらいの伸びですね。他の長い毛もおよそ3ミリくらいの伸びでした。


不思議なことに赤ちゃん毛だった毛は5ミリも伸びて太くたくましくなっています。


そして、なんと乳毛に仲間が増えていました。

細くて見逃していたのかもしれません。

見つけた時はすでに5ミリの長さがありました。本当に細くて生毛がそのまま伸びた感じです。

右も左も1本づつ増えていましたので合計9本となりましたよ。


今日、お風呂で湯に浸かりながら思いました。「今、死ぬわけにはいかない。誰にもこの乳毛を見られてはならない。家族にも‥。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る