スキのカタチ。

篠宮玲

彼女視点

あの日の放課後に

「一緒に帰ろう。」

って言ったの覚えてる?

でも、貴方は来てくれなかった

私は次の日、屋上に呼んで

「どうして、来てくれなかったの?」

って、聞いた時に貴方はこう言った。

「部活だったから。」

あれって、『ウソ』だったんだよね?

私、知ってるんだよ。

あの日、貴方は友達と帰ってたよね?

私、言いたいことがあったんだ。

ずっと、幼馴染だったから、言えなかった。

この関係を壊したくなかった。

壊せなかった。怖かったんだ。

貴方に『ゴメン』って言われるのが…

でも、ずっと言いたかったんだ。

心に決めていた言葉。

『貴方のコトがスキ…』

あの日に言いたかった。

あの日…何の日か覚えてる?

貴方の誕生日だったんだよ。

だから、あの日が良かった。

私と1日違いなんだよね。

私より先に歳を取るんだ。

そんな貴方と、今まで一緒にお祝いしてきたのに…

だから、言いたかった。

『嫌い』って『ゴメン』って言われてもかまわない。

夢だったんだよ。

クリスマス・イブに言うのが…

あの日は雪が降っていて、寒い日だったね。。

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