哀しみを知る

朝 陽がのぼる

それは摂理であるけれど

目が覚めなければ拝めない


繰り返す当たり前が

実は有り難いことだって

知ってしまったら怖い?

知らずにいるのが怖い?



春 桜が咲く

それが自然であるけれど

壊れたものは戻らない


そこにある当たり前が

悠久の中の一瞬だってこと

知らない方が幸せ?

知ってる方が幸せ?



知ってしまう怖さ と

知らずにいる怖さ と


知ってこその幸せ と

知らずにいられる幸せ と


もし選べるのなら わたしは知りたい


もろいガラスの上にある

平安の愛おしさを

そっと抱きしめて往きたいから


そう思うほどには わたし

歳を取ってしまったみたい

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