02 ノエル・フロイヤー



 ノエル・フロイヤーは敵の多い人間だ。

 なぜなら王宮に生まれた沢山の兄弟の中の一人で、それも王位継承者の二番目の姫なのだから。


 だがそんなノエルの上には立派な兄がいる。

 何もかもが完璧な兄は、王位を継ぐにふさわしい人間だが、人が大勢いればそれをよく思わない物がいるのもまた事実。


 兄は、ノエル以上に毎日命を狙われていた。


 けれど、兄は多忙。

 将来王になる人間として、こなさなければならない仕事が山ほどある。

 勉強しなければならない事も。


 本来なら、下種な人間共にかかり患っている暇など兄にはないのだ。


 だというのに、今日もどこかで暗殺を企てる阿呆共がいるようだった。


「きゃーっ、ガルーダ様あてのプレゼントが爆発したわよ。誰か、水を持ってきて。火がっ!」


 兄はその対応に駆り出されている。


「大丈夫か? 慌てずに、落ち着いて対処しなさい」


 そんな兄を見て私は決意した。

 私の兄ガルーダ・フロイヤーのために、このキル・ノートを使って邪魔ものを消し去るのだ。


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