人気アイドルの生活は国家機密級!?〜俺らの秘密はバレると超ヤバイ!〜
森ののか
第1話大人気アイドルの秘密
「おにい〜、早く学校行かないと遅れるよ〜?」
「ちょっと待ってくれ!」
俺の名前は
そして、最初の声が俺の妹、蒼井
学校が私立学園なのでもちろん制服がある。藍色の制服は、俺のお気に入りだ。
黒髪ロングのウィッグをつけて、赤い縁の丸眼鏡をかけて、シャツを着てブレザーを着て、最後にスカートとハイソックスを履いて完成。
え?お前、男じゃなくて実は俺っ娘の女の子だったのかって?
違うぞ?俺は男だからな!女装している理由はあとで教えてあげるよ。
準備ができたら扉の前に立って、
「( ´ỏ`)スー( ˙ロ˙ )ハーあ、あ、あ、あ、あ、あ」
と女声の発声練習。これが、結構大切だったりする。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……」
ピーンポーンガチャ
「透ー!」
「わあああああああああああああああああああ!」
いきなりドアが開き、鈴が転がるような声がした。
見ると、同じ制服を着た冷たい感じの男の子と、こちらも同じ制服を着たにっこりと笑った男の子が並んでいる。2人並んで、見目麗しい……
「い、今の聞いてないよな?
「んー? 発声練習のこと?聞いてないよ?」
ああああああああああああああああああ、絶対に聞いてた…………
さっきの鈴が転がるような声の持ち主は、
隣の男は、芽里の兄、紗夜花
芽里が男装しているとき、芽里と雫月の性格は正反対だ。孤高の存在で決して笑わないのが芽里。誰にでも目があえばにっこりと笑うのが雫月。つまりこの兄妹は二人そろうとどんなタイプが好きな女子でも大抵集まってくるわけ。こいつら存在がチートだろ!
「透、早く行こ?」
「そうだね」
芽里の一言で、俺は我に返った。確実に意識飛んでたな。うん。
うちの校区の中学校からは、俺と芽里、雫月しかあの学校に行ってない。俺が女装してるのはバレない。はず。
駅に着いた俺はまず雪と別れ、そして改札のところで芽里たちとも分かれた。
こんなだっさい陰キャ女子と今をときめく王子様(芽里と雫月)が一緒に登校してたらファンクラブから殺されかねないからね。
電車に乗ってすぐ、ヴァイヴレーションの音がした。おかしいな。スマホはマナーモードにしたと思ってたのに。見ると、いつも使っている方とは別のスマホだった。だからかよ。画面を開き、連絡を確認する。
"翔へ。
今日の19時からのライブ、曲名は?
早く教えてくれないとイメトレ出来ないんだけど……
学校着くまでに教えてね。
鈴"
よく考えたら決めてない!これはあとで芽里に怒られるやつだ……詰んだ……
たぶんみんなこいつ何言ってんだよ見たいに思ってると思うから説明しておこう。(上から目線で喋って申し訳ありませんでした。)
俺、
そして、
なんで女装、男装しているのかと言うと、なるべくバレないようにしたいからだ。ただ、俺は陰キャ女子だと思われててみんな近寄ってこないのに、芽里は陰キャっぽくしててもイケメンだから無口で冷たいクールイケメンって思われて女子から大人気なんだよね。複雑だよ……あの兄妹はいつも名前の後に様をつけられて男子からも女子からも慕われてるんだよね。俺と違って。
まあ、あの蒼葉翔がこんな陰キャ女子と同じ人だって考える人はいないと思うからいいんだけど…………
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