第10話 ◯◯の日

私「郵便受けのチラシ取ってきてくれたんや、あざー」


 買い物に行ってた寅が、チラシの山を回収してきてくれた。


 不動産のチラシや塾のチラシの合間に混じる一枚のハガキ。

 なんぞこれ?

 裏返した瞬間、


私「寅ぁぁぁぁぁっ!!!」


 私は絶叫した。


 そのハガキは我らが挙げた結婚式の会場からだった。


 そこに書かれた「一周年おめでとうございます」の文字。


 二人で思わず顔を見合わせた瞬間である。


私「忘れてた…」

寅「ホンマや…」


 二人揃って結婚記念日をすっかり忘れていたという、信じがたいが本当の話。

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