第2話 甘い雰囲気なんてなかった

 寅と付き合い始めて数年目の頃。


 姉とショッピングに出かけ、足休めにカフェに入った時の会話。


姉「なあなあ、見て。向こうのカップル」

私「んー?」

姉「ずーっと二人で話もせんと、自分らの携帯ばっかり見てる」

私「あー…せやな」

姉「せっかくデートやのに、携帯とかゲームとか触ってる人おるやん?何のために一緒にいてるんって思う。最近の若い子らってそんなんなんかなぁ」

私「……」


私「ごめん、それうちらやわ」


 当時の寅とのデートといえば、駅のカフェに入っては3DSを構えるのが定番だった。


姉「何してんの笑」

私「リオレイア狩り」

姉「違う。そうじゃない」


 違ったか。

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