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     異世界ファンタジーと言うとどうしても長くなりそうなものですが、ストーリーに不要なものを削ぎ落として極めてコンパクトにまとめていると思います。
     登場人物について言えば、魔法使いのおじいさんが意外とチャーミングというか、コミカルな印象を受けました。

     気になったこと2点に触れると、まず、主人公(語り手)には魔法の才能があったのかなかったのか、結局のところはっきりしないなと思いました。
     本文だけ読むと主人公に才能がないと判断する根拠はおじいさんの「…才能ないから無理」という台詞くらいのものですし、これは単におじいさんが魔法を教えたくなくて吐いた嘘と考えることもできますが、そうなるとあらすじの「少年は魔法が使えない」という記述と矛盾するように思います。
     書き直せと言うつもりはありませんが、こういう場合、魔法は王侯貴族(あるいは何かしらの特権階級)の間でのみ伝えられる技術だという設定にすると、スッキリすると思います。主人公は農民だから本来であれば魔法を教えてもらえる身分ではない訳ですが、何かしらの理由で森で暮らすことになった魔法使いのおじいさんに強引に弟子入りすることによって、隠されていた魔法の才能を開花させる訳です。
     まあ、この場合は少なくとも2つ問題が発生するんですよね。1つは作品世界に身分制度を持ち込んで、しかもそれをネガティブに捉える視点を読者に提示してしまうことです。それによって、作品全体の雰囲気が少し暗くなるかもしれません。もうひとつの問題点は、作品のオチを少し変えた方が良くなるかもしれないことです。

     もうひとつの気になったのは、最終項目「悪いものが消えたと思ったら再び出てきて、魔王が倒れたと思ったらまた出てくる」という記述の説得力がちょっと弱いように感じたことです。もちろん、その辺は人間社会の宿命のようなものですが、魔王が次から次に出てくるというのであれば、その魔王がどういう存在なのか(一種の魔物なのか、それとも元は人間だったのか)について説明があっても良かったかなと思います。
     ちょっと思ったんですが、もし仮に魔王の正体が身分制度に対して不満を持つ平民あるいは最下層民だとしたら、「問題自体は何も解決してないんだよ。問題の先延ばし、いずれいつかはその問題がまたやってくる」という記述の説得力が増し、オチがよりダークになったかもしれませんね。

     長々と勝手なことを言ってすみません。

    作者からの返信

     コメントいただき、ありがとうございます!

     まさか、短編の方も読んでもらえるとは思っていなかったです! とても、嬉しいです!





     子供の憧れって、純粋なものだと思いますが、大人からすると一歩引いて見てしまうものに変わってしまったりします。
     今回の憧れの対象が『魔法』であっただけで、子供としての『魔法』へのイメージと、大人が思っているイメージは全然違うということ。

     憧れって、一体?


     この作品のコンセプトは、『魔法への憧れ』を元に、子供の頃は魔法の『強さ』に憧れてした主人公でしたが、大人になり自分自身が魔法を使える状態になると、子供の頃には思わなかったことが大人になって初めて気づいた。という、作品にしたかったのですが……難しい! 
     コンテストのために、全六作品をジャンル別に用意したのですが、この作品が一番難しかったなぁと私は、内心思いました。

     魔法の才能について、明確に書かなかったことには実は訳があります。言い訳がましいかもしれませんが、単純に『努力したら、魔法が使えました』と、何かを始める前に諦めている人に対して、とりあえず、頑張れるだけ頑張ってみたら? と、安易な考えで書いていたりもします。
     だとすると、どんな努力を主人公がしたのかという疑問が出てきますが……短編の文字数では足りないとバッサリと切りました。
     才能とか、チートとかの言葉で解決してしまえば簡単な話なんですけど……私自身が、その言葉でなんでも解決してしまうのが嫌いなので、作中には書いていません。

     とすると、『問題の先延ばし』は、サブテーマみたいなものになります。魔法という『力』で、言葉が通じるであるはずの魔王と呼ばれる王が統べる魔物という生き物を制するという最終項目。

     なんでも詰め込過ぎ感は否めませんが……今の私では、これが限界した。
     ……くやしいです!

     

     勝手なこととは、全く思っていません! ちゃんと、最後まで読んでくれたから出てきたことだと思いますので、私としてはとても嬉しいです!