第43話 アレパとはなんぞや

 アレパというパンみたいな食べ物がある。 わたしはフロリダに来るまで知らなかった。

 パンは小麦からできてるけど、アレパはとうもろこし粉で作られる。ベネズエラとコロンビアの郷土料理。

 日本語でネット検索してもレシピが少し出てくるあたり、知ってる人は知ってるようだ。


 ベネズエラ人曰く、「ベネズエラのアレパはサンドイッチのように具を挟んで食べ、コロンビアのはおかずの上にアレパを乗せて食べる」との違いがあるとか。

 アレパの具はチキンとかビーフとかアボカドとかチーズが山盛り、がお決まり。3軒ほどのお店に行ったけど、どこのアレパもだいたいそんな感じ。内2件は野菜は入らないでタンパク質のみ。

 アレパには、日本でいうところの「お好み焼きか広島焼きか論争」と似てる。両国がそれぞれ拘りを持ってる。


 ベネズエラ人の友人・アンドレスにアレパの美味しい店を紹介してもらった。ベネズエラ人が推すのだから、もちろんここのはベネズエラ料理。

 何気なくWhatsAppのグループに、その時食べたアレパの写真を投稿したらさあ大変。ベネズエラ人とコロンビア人による「わたし(れん)が食べて来たのはどっちのアレパか論争」が勃発した。


 まず写真に反応したのはコロンビア出身のカレン。「コロンビア料理食べたんやね!」と。

 わたしはこの時、両国に並々ならぬこだわりがあったことも、そもそも違うものだとも知らなかったし、それがベネズエラ料理ということも分かってなかった。なので「そうやねん。美味しかったわ」と、返事した。

 するとベネズエラ出身のアンドレスB(店を教えて貰ったアンドレスとは別の人物。教えてくれた方をアンドレスAとする)が「いいや違う。これはベネズエラ料理だ」と反論。けれど、カレンは「れん、気にしたらあかんで」とさらに煽る。

 どう違うの?と質問したら、上記の挟むか乗せるかの違いだとアンドレスBが教えてくれた。そうこうする間にアンドレスAも「これはベネズエラ料理やで」とコメント。わたもアンドレスAに紹介してもらった事を伝えてようやく収束。


 そういえば、確かに店でアレパで具を挟んで提供するか、具に乗せて提供するかどうか聞かれた。何となく食べやすそうだったから挟んで貰った。これは完全にベネズエラスタイル。

 もう1品、大皿にアボカドとか肉とか3品ほど盛り付けられた料理も注文してて、これがコロンビアの一般的な料理と似て見えたみたい。


 ついでに書くと、さらにエンパナーダという揚げパンみたいなものも食べて来た。揚げパンの中にチーズとかチキンとか入ってて美味しい。日本で売ってても全然違和感無さそうな味と見た目。

 ちなみに実はエンパナーダも国によって違うらしい。この時知らなかったけど最近知った。


 ごめんねラテンの皆さん。わたし、よく分かってなかった。でもおかげでざっくりでも覚えたわ。

 でもな、彼らはそう言うけど、あの人たち日本も中国も同じようなもんと思ってるねんで。


01/22/2020

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