詩 Vol.9 題名:あぁ、わたしは生きているんだ

うなされていた



部屋の隅に追い詰めて その目と口元がほころむ

高く上げられた 右手が 勢いよく 頬に振り下ろされる

あの頃 子どもの わたしは 声を出すことも出来ず

ただ 胸の中で 毒を吐いては 精一杯の抵抗を試みた



封印しているはずの 過去からのメッセージ



瞼を開ければクリーム色の天井が広がっていた



全身に汗を掻いて 今、いる場所が 一瞬 分からなくなる

夢の残像を思い出しては 身震いをする

数秒が経って 現実が襲って 妙に安心感が湧いてくる

死んでいた瞳に生命力が戻り 体じゅうの血液が活発に動き始める



「あぁ、わたしは生きているんだ」

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