老子の思想

千夜一夜

1.はじめに

 日本の代表的な思想家・西田幾多郎(1870-1945)は、「私はしばしば若い人々にいうのであるが、偉大な思想家の書を読むには、その人の骨というようなものを掴まねばならない。そして多少とも自分がそれを使用し得るようにならなければならない。偉大な思想家には必ず骨というようなものがある」と言っています。


 さて、今回はみなさんに、『老子』の「骨」を提示してみたいと思います。ただしもちろんその「骨」は、ぼく自身が「使う」ための「骨」であり、他の人が『老子』にふれたなら、また違った「骨」をつかむであろうことは言うまでもありません。


 なお、引用する現代語訳としては、金谷治『老子』講談社学術文庫を用いました。

 また、解説書としては、湯浅邦弘『入門 老荘思想』ちくま新書を参考とさせていただきました。

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